三鳳GPT【ぴこり】

第8回目は、注目の鬼打ちアクティブプレイヤーで数日前まで十段&Rランキング1位を独走していた「ぴこり」さんを紹介します。

ぴこりさん、大人気ですね。じつはこのプレイヤー、とある”うわさ”があるようですが、それは後で検証していくとして、まずは成績から見ていきます。

【R5.10月現在の成績】

試合数 2300戦 まだそこまで多くはありませんが、今月だけでなんと823戦も打っています。

安定段 8.5045 安定8.5段超え。これだけでもすごいんですが、直近2日でRマイナス120ちょいの超絶下振れを引いた後の数字です。今月はずっと平均順位1.8台をキープしていました。やばすぎる・・・

最高段位 十段 これだけの成績であれば当然の結果です

最高R 2410 当然2400を超えています。

アガリ率 0.2922 不調を引いてなおこの数字。高め。

放銃率 0.1352 標準

リーチ率 0.2290 低い。zkurtさんよりやや低く、冬灯さんと同水準ですが、鳳凰卓でこの数値はあまり見ません。

副露率 0.2591 やや高め

いわゆる「非リーチ型の攻撃型スタッツ」です。対戦した印象ですが、攻めの圧力が強いです。ただし、闇雲な攻めではなく、勝負に見合う手やテンパイから押すので、「何その押し方、無茶苦茶やん。運量で殴るなよ~。」みたいな理不尽感があまりありません(=状況を見極めて攻めてきます)。また、攻撃力の高さに隠れていますがじつは守備意識がかなり高いです。特に高い手の他家がいるときやトップ目のときはこれでもかというほど慎重に打ち回します。手順は鳴きやや多めのオーソドックスな手順ですが、不安定な形からの仕掛けは少なめです。強いので同卓するのはポイント効率的におすすめしませんが、変なストレスがないので個人的には連戦したい寄りの打ち手です。

最多対戦者:れすこ(138戦)

最多対戦者はれすこさん。現在九段の「しゃべり方がかわいい人」です。毎日のようにぴこり&れすこ卓が立っていました。なお、れすこさんのツイートはなんか中毒性があるのでフォロー推奨です(笑)

「れすこがおふろに入ると、おふろが綺麗になる」って・・・んなわけねえだろ!お前はバスマジックリンかよwと思わずツッコみたくなりますが我慢です。なんかハァハァ言ってる人もいますが、それも含めてスルーです。

【誰かのサブアカなんですか?疑惑】

これ、気になってる人多いと思います。そういえばウパ坊がこんな独り言を言っていました。

ぴこり・ねぎっつ・ましこどん・・・?どこかで聞いたことのある名前です。調べてみます。

☝これがサンマ天鳳位のましこどんの成績

☝こちらが2000戦ちょい時点のぴこりさんの成績。

比較してみます(左:ましこどん 右:ぴこり)

〇アガリ率

29.45% 29.44% (誤差0.01%)

〇放銃率

13.39% 13.69%(誤差0.3%)

〇リーチ率

22.36% 23.23%(誤差1%以内)

〇副露率

26.11% 26.11%(完全一致w)

〇ツモ率

49.57% 49.24%(誤差0.33%)

これは「クロ」ですね(笑)DNA検査なら「99%同一人物です」レベルの一致です。そういえばましこどんが天鳳位になったときもいろいろ噂されていましたが、そもそもましこどんとは何者なのでしょうか。

すみません、貼り間違えました

このようなツイートがあります。打数・成績からすると納得です。税さん(kurtさん)によると、ましこどん昇天後の次の瞬間、1年ほど未稼働だったNEGITSさんが一戦だけ三鳳を打ったとのことで、この「不自然なタイミング」もそれを裏付ける根拠になっています。

結論としては「NAGISUKE=NEGITS=ましこどん=ぴこり」という説が濃厚です。ちなみにNAGISUKEさんはアガリ率30.89%、放銃率16.13%の超攻撃型なのでフォームを劇的に改変して打っていることになりますが、これはすごいことです。なお、実績を並べてみると、

〇NAGISUKE

天鳳位 安定段 8.1381

〇NEGITS

天鳳位 安定段 8.6594

〇ましこどん

天鳳位 安定段 8.9443

〇ぴこり

最高十段 安定段 8.5045

3アカ天鳳位、安定段全て8超え(直近3アカの平均が8.6以上)という信じがたいレベルの結果です。間違いなく三鳳史上最強雀士候補にエントリーされます。

では、そんなぴこりさんの牌譜を見ていきたいと思います。

【対局紹介】

まず字牌の扱いが分かる場面を紹介。東2局のトップ目でここから打發。

さらに5巡目には生牌のダブ東から切り出しています。①早めに役牌を鳴かせて場を安くする②安全牌を確保するという2つの意図を持って生牌から切り出しています。ただ攻めるだけでなく、自分の手や点数状況によって失点リスクを考慮しながら打ち進めています。

これは前回の記事(ダマテンの有効性について)でも取り上げた場面です。ここでの1mタンキは「リーチすることで逆にアガリ率が上がる」という特殊ケースで、打点的にもリーチしたくなるところですが、親が攻めてきたらテンパイを崩す必要があるため、「放銃率を限界まで下げつつ、下家にラスを押し付けに行くことを最優先する」という選択を取ります。親の手が早そう、ここであがっても対面がオーラス親なので決定打にならないなどの理由もあるのかもしれませんが、いずれにしてもリスク管理が徹底されている印象を受けます。

これも前回の記事で取り上げた場面です。お察しのとおりれすこさんの卓画ですが、個人的には対面の「真おまいたちの夜(元ネタ:かまいたちの夜)」さんのネーミングセンスがツボです。ここでの選択は打6sリーチが自然なのですが、両脇の仕掛けに対応して打9pのダマを選択しています。下家の親がダブ東(カン)ドラ1のシャンテン以上はほぼ確実、対面はオタ風からのポンで1mトイツ落としなので白のトイツなどがありそうです。また、親の第一打が8sなので親は7sを持っていない可能性が高く、ドラ7sが対面に固まっている可能性が極めて高いことから、かなり守備的に打ち回します。一般的な攻撃型の打ち手は「場に安いピンズの3面待ち。裏ドラ2枚見れるし3-6-9pで鉄リー!」とする打ち手が多いですが、同じ攻撃型でもこういうところでギャンブルをしないのがぴこりさんの特徴です。

こういう場面でも6-9pで曲げたくなりますが、2着目の満貫確定の仕掛けに対して現物の7pを切り、カン4pのダマを選択します。対面は副露数を考慮してもテンパイ率50%くらいの捨て牌で、自身の6-9pはかなり強い待ちなのでリーチも有力なのですが、リスク回避を優先します。運量や平面数値に任せて殴る系の攻撃型と違うのはこのあたりで、対戦していてもこういう繊細な対応をしっかりしているからこそ安心感があるというか同卓していて楽しい印象を受ける(勝っても負けても納得感のある感じ)のかなぁと思います。

では、最後に一戦ほど対局全体を通して見ていきます。同卓者は秋田のひよこさん(九段)とRONLANDさん(九段)です。秋田のひよこさんは現在約2600試合で安定段8.5段以上の打ち手で、やや面前リーチ寄りスタイルの鉄強プレイヤーです。現在の三鳳アクティブプレイヤーの中ではぴこりさんと並んで最も警戒すべき打ち手です。RONLANDさんは1年前頃に出てきた打ち手で、三鳳の中では飛び率が圧倒的に高く、「飛びか飛び以外か」みたいな特徴がありますが、なんと1ヶ月以上九段を維持しています(打数もコンスタントに稼いでいます)。「ROLAND」と間違えている人がいそうな気がします。では対局に移ります。

★東一局 親

下家が秋田のひよこさん、対面がRONLANDさんです。普通にイッツーとタンピンの両テンビンで打1p。下家はテンパイしてそうでなので行くなら8s→9sと払っていく感じです。下家が横移動2600のアガリで次局へ。

★東二局 西家

2巡目發ポン。ある程度形が決まっていれば仕掛けます。

9pをツモって打4s。ホンイツに向かいます。まだ序盤なのでここではテンパイ外しが有力で、下家からピンズが狙えそうなのでより一層染めが良さそうです。

結果は対面が跳満ツモ。9pでアガリ逃しになってしまいましたが、巡目・打点・場況を考慮して最も有利な打牌を選択しただけなので、手順としては問題がありません。

★東三局 南家

チートイシャンテンから打2p。下家に合わせて4sを切るかなと思いましたが、發の仕掛けなども考えてチートイ以外のルートも残します。

親の現物のドラ8pで6400ダマに取ります。

親リー後、2sに待ち変えせずドラ8pタンキ継続です。

対面から6400の出あがり。ここで注目したいのが前巡の3pを抜きドラ2枚のリーチに対して切っているところです。2sでのあがり逃しの後に引かされた3pは実質残りスジ3本で危険度30%レベルの牌です。普通の感覚だととても切れる牌ではありませんが、平たい状況であれば限界まであがりに寄せているのがわかります。やはり本質的には攻撃型スタイルのようです。

★南一局 親

下家からまたもやリーチ。親でドラ4シャンテンとはいえ、抜きドラ2枚のラス目のリーチなので放銃での親流れは避けたい局面です。さらに対面が6pトイツ落としで攻めているのでややオリ寄りで進めざるを得ません。結果は満貫の横移動。

★南二局 西家

トップ目の対面の仕掛けに対して打6pで放銃。対面は8p切りの時点でテンパイ率70%超えですが、典型的な役牌絡みのかわし手でほぼ3900か5200までの手です。白發の役牌バックの可能性もあり、待ちも絞り切れないので、親の現物を残して6pを先切りします。放銃してもほぼ2着以上が確定するだけなので、対面にはガードを緩めてOKとの判断ですね。

★オーラス 南家

5巡目なんとこの形から打4p!現状、対面から満貫直撃で同点トップ、下家の跳ツモでも2着で、「ダマで満貫作るか、それが無理なら徹底して下家からの満貫直撃を避ける」べき局面なので手牌を徹底してスリムに絞ります。

ここでも5sを先切り

満貫ルートを確保しつつ、下家に通りそうな牌を切ります。対面には満貫放銃OKなので完全無視です。

中盤以降は下家の安全牌を連打して流局2着で終了という結果になりました。

【まとめ】

対局紹介はわりと地味な結果となりましたが、「攻めるところは攻め、守るところは守る」というメリハリの利いた打ち方をしていることが分かっていただけたのではないかと思います。よく「麻雀はその状況で最善の打牌を選択するゲームで”型”という概念は存在しない」という意見が聞かれますが、選択には多くの要素が絡み合い、それぞれメリットとデメリットがあるため、全ての要素を正確に比較して優劣をつけることが困難なケースがかなり多いのが現実です。そういう場面に遭遇したときに人は押すか・引くか・保留するかなどの行動を数秒でアウトプットしますが、それが”型”となって表れます。もし”攻め”に重点を置いた打ち方をする人は、彼の麻雀を見て「攻めるための守り」を引き出しの中に入れておくのも良いのかなと思います。

多趣味なのに、それらがことごとく実生活でほとんど役立っていないという事実に気づいてしまったペンギン♂
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