こんにちは、ペン太です。今回はダマテンの有効性について考えていこうと思います。
「リーチは最強の手役。ダマにする明確な理由がない限りほとんどの場合はリーチを打った方が強い。とりあえず迷ったら曲げておけば間違いない。」
こういう考え方が一般的になっていますが、残念ながらこれは間違いです。正確には「半分当たり、半分ハズレ」です。「リーチすればその後の打牌はオートになり、細かい読みや押し引きなどを一切考えることなく誰でも一定の結果が得られることが強い」という認識が正しいです。細かい技術がない初心者の場合は、リーチをガンガン打った方が確実に結果が出ますが、レベルが上がればそうは簡単にはいきません。例えば、他家の手牌が全て見えている状態であればリーチは怖くて打てなくなるはずです。少なくとも、局面をかなりの精度で読める打ち手の場合は、「何でもリーチが正解」にはなり得ません。
とはいえ、リーチという役自体の持つ威圧効果、打点上昇効果は”チート役”と呼ぶにふさわしいものがありますが、リーチ後に当たり牌を掴んで「リーチしたからしょうがない」と言い訳したり、ダマテンのメリットを考慮せずに「なんだよその豆ダマ。普通にリーチだろ」と決めつけてしまうのはもったいないかなと思います。
ダマテンのメリットについて紹介する前に、まず、リーチ判断についての正しい認識を説明したいと思います。
1、絶対に切れない牌がある、または放銃したくない他家がいるか?
➡攻められたときに回る(オリる)なら役なしであってもダマを検討
2、局の目的は?
➡アガリ率最大化が目的ならダマを検討
3、手変わりがあるか?
➡手変わりのメリットが明らかに大きい場合はダマを検討
4、局収支は?
➡出あがり率の低下、打点上昇などを考慮し、ダマテン以上に収支が見込める場合はリーチ
の少なくとも4つのプロセスを経てはじめて「リーチ」を選択します。”4”の局収支だけで正解を決めつけてしまう人をよく見かけますが、これは誤りで、あくまでも1や2の判断基準のほうが優先されます。4の判断基準はいわば”おまけ”です。ただ、細かい読みや判断は初心者には難しく、話題にするのであれば4の部分だけにしたほうが分かりやすく数値化でき、面白いため、ここだけ切り取られがちなのが勘違いされる原因になっています。個人的には「ピンフのみは鉄リー」や「ピンフドラ2ダマは下手くそ」という意見は、1や2の判断基準を通過した場合に限り有効な考え方で、ダマにしたほうが有効なケースは想像以上に多いと考えています。
では、いよいよダマテンの有効性についてです。主なメリットを4つほど挙げてみます。
1、アガリ率が上昇する
リーチが「他家の手の進行を止め、他家のアガリ率を下げることによって自身のアガリ率を高める行為」とするならば、ダマテンは「純粋に自身のアガリ率のみを高める行為」です。これは、相手を自由に打たせて攻撃を許してしまうというリスクも孕んでいます。手の進行なんて読めない、正確に対応する自信がない、という人にとってはリーチしたほうが間違いが少ないですが、高い手をテンパイしていても危険牌を止めて回し打ちできる人にとっては、恩恵が大きいです。
2、南場の着順調整がしやすい
これはすごく重要です。一般的にリーチのほうがダマテンよりも局収支が高くなりがちです。しかし、これはリーチの上振れ性能によるもので、南場の着順争いの場合は「平均的な期待収支よりも、確実なアガリや放銃回避のほうが価値が高い」というケースのほうが圧倒的に多いです。天鳳のような着順ゲーでは、2万点差のダントツトップを1回取るよりも1点差のトップを2回取ったほうがお得です。例えば、三麻の場合、オーラス親であれば16100点差(満直、跳ツモOK)、10500点差(満ツモ、5200直撃OK)、8100点差(満貫横移動、3900直OK)3100点差(一人ノーテンOK)などの点棒状況をメイクできれば十分で、南場に入ってからは「点数の詰め将棋」です。必要以上の点数や運任せの抽選は不要で、より確実に点差管理ができる方法を優先して選択すべきです。そのための方法がダマテンです。
3、再戦時に「見えない圧力」をかけることができる
いつもリーチしている人だと、リーチしてないときは無視できます。逆にダマテンを織り交ぜてくる人だと常に警戒しないといけなくなります。先切りで捨て牌が濃くなるタイミングが早く、ダマテンを多用してくる相手だと鬱陶しいことこの上ありません。”危険そうに見える安全牌”をノータイムで切ったり、少考してドラを捨てたり、捨て牌に少し細工をするだけでリーチもしてないのに圧力をかけることができたりもします。これは最上級レベルだと想像以上に効果的です。
4、いつでもオリを選択できる
これが最大のメリットです。先日のブログでも紹介しましたが「放銃レッドゾーン(抜きドラ2枚以上のテンパイなど)」に対してほぼ無条件にオリるだけでも成績がかなり向上します。場合によっては役満テンパイであってもオリたほうが良いことも少なくありません。「調子が悪くてアタリ牌を掴みまくる状態」であっても、ダマテンを上手く使って放銃を回避していれば案外2着は取れたりします。
次回の三鳳GPTで紹介予定の「三鳳の番人・ぴこりさん」などはダマテンの使い手ですが、サブアカ含めて長期安定8.5段以上の成績を残している背景には、「普通の人が思考停止でリーチしている場面でもダマテンを有効に使っていること」があると考えられます。もしかしたらダマテン技術をマスターすればさらにワンランク上の領域に到達できるのかもしれませんね!
【ペン太のコメント】
全然関係ないけど、最近の三鳳、予約ボタン押したら大体「ぴこり&れすこ&ガーネット」トリオの誰かがお出迎えしてくれる印象あるよね(笑)
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