字牌の切り順について

こんにちは、ペン太です。今回は字牌の切り順について書いてみます。

三人打ちの場合ですが、現代では、オタ風>1・9m>場風牌>三元牌>自風牌の順で切るのがセオリーとされています。

しかし実際は、おそらく1・9m>オタ風>自風>三元牌>場風牌の順が正しいです。その理由をいくつか挙げてみたいと思います。

1、自分が切りたい牌から切るのが結局最も効率が良く、現時点で鳴かれたくないかどうかのほうが先々のことよりも重要

2、オタ風→1・9mの順だと染め手ではないことが透ける

3、オタ風→1・9mの順だと染めになったときにロスになる(三人打ちはすぐに染まるのでけっこう大きい)

4、他家が「オタ風からだと鳴かない場合」に一手得する (自風→三元牌の順で切ることによって自風のほうが鳴かれないことがよくある

5、手がまとまっていないときに鳴かれるとその後の打牌に制約がかかる(巡目が進んで鳴かれる確率が上がるリスクよりも、手がまとまっていないところから放銃したり、早い段階から不自由な打牌を強いられるほうが明らかに損)

6、小四喜より大三元のほうが簡単(風牌よりも三元牌のほうが価値が高いので、三元牌よりも自風牌のほうがいらない)

7、自風牌は自分しか役牌にならないが、そのせいで他の役牌よりも警戒される。また、微差ながら最も河に捨てられやすいため、下手に重なると2枚切れになるか渋ポンするかの2択を迫られやすい。

8、そもそも三人打ちは字牌のトイツ率が高いので、最序盤であっても「すでに重なっている」という状況が多い

9、序盤のリーチはチートイが多く、チートイは1・9mで待たれやすい上に、押し返す場合にも自分の打点を下げる牌になりやすい(=押し返しにくくなる)ため、ほぼ全ての局において1・9mから優先的に切ったがよい(ワンズを不用意に持つと序盤のリスクが上がり、自分の打点も下がりやすく、捨て牌にもキズができる)

10、字牌を優先的に切ると端牌の余剰牌の処理が遅れてしまう(=守備力が低下する)ため不用意に字牌を切らないほうがよく、その場合字牌のリリースが最序盤ではなくなっているため、「重なる前に」が成立しない場面のほうが多い(多くの場合、鳴かれたくないダブ東などを後に切ったほうがよい状況になっている)。

11、そもそもリーチが一番怖いので鳴いてもらったほうがありがたいし、手がまとまってから鳴いてもらったほうがまぎれのパターンが少ないので捨て牌が読みやすい。

などの理由でこの順番を推奨します。四人打ちとはゲームが違うので考え方も違ってきます。なお、自分が親のとき南と西どっちを先に切るか問題などもよく議論に上がりますが、そもそもツモ順飛ばしうんぬんよりも点棒状況や抜きドラの枚数のほうが圧倒的に大事なので、どちらでも大差ないです。

セオリーとされている切り順にも、「重なる前に切ることで鳴かれにくい」「他家の平均打点を下げやすい」などのメリットがありますが、上記の切り順のメリットを上回れるかと言われると到底そうは思えません。参考ですが、親にダブ東をポンされる確率は下図のとおりです。

これは四人打ちのデータなので、三人打ちだとおそらく配牌時点で4%、1巡ごとの上昇値が約0.7%だとして7巡目時点で8~9%くらいです。ワンズやオタ風を切って3巡目にダブ東を切るとして、この時点ですでに5%~6%はポンされてしまいます。7巡目まで引っ張ったとしたらさらに2~3%確率が上昇しますが、3巡目の時点で5~6%鳴かれるのであれば、先々ポンされやすくなることよりも「この時点で鳴かれることのリスク」のほうを考慮すべきです。わずか数%の上昇値のために自分の手順を曲げて先切りする必要はありませんし、自分にとって必要であれば重なりを見たり、優秀なタンキ待ち候補として使ったほうが良いです(※東は親が長く持ちがちな上に、もう一人の他家も”親に対して”東をケアしてくるのでじつはタンキ待ちとしてはかなり優秀)。結局考えるべきはまず「自分の手」です。

ただし、この考えが絶対正しいわけではありません。対戦相手の考え方やレベルも環境によって変わります。一番大事なのは、戦術書の意見を鵜呑みにするのではなく、自分の頭で考えて自分なりの答えを持っておくことだと思います。

【ペン太のコメント】

自分の場合、ピンズのホンイツのときは白、ソウズのホンイツのときは發、平たい手のときは中を優先的に残すようにしてるな。それと、1・9mは理屈どうこうじゃなく、画面の左端にあって切りにくいから早く切る(笑)

多趣味なのに、それらがことごとく実生活でほとんど役立っていないという事実に気づいてしまったペンギン♂
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