麻雀の読み(9種読み)を紹介♪

こんにちは、ペン太です。今回は読みについて書いてみたいと思います。現代麻雀では「オリの技術」が重要視されています。つまり、相手の手を正確に読む必要はなく、「安全牌を探す技術」が大事であることを意味します。しかし、残念ながらこの考え方は誤りです。正確には「中級~上級レベルまでは有効だが最上級レベルでは通用しない考え方」という認識が正しいです。

例えば、以前三鳳GPTで取り上げた超攻撃型のガーネットさんの場合、確かにめちゃくちゃ攻めてきますが、じつはテンパイでもぺちょんとオリたり、序盤から弱気な打牌をすることがしばしばあります。でも押すときはなかなか刺さりませんし、高い手にだけはあまり放銃しません。なぜでしょうか?答えは読めているからです。読めていれば相手が高い手のときはオリを選択できるし、通せる牌も増えるのでアガリ率が高くなります。「危険度15%の牌を押すには良形12000点以上が要求されるのでオリ」という場面でも、その牌が高確率で通せることが分かっていれば「良形3900点以上で足りるので攻めてOK」ということになったりします。三鳳は高段位になるほど守備ゲーなんですが、周りの攻めがキツイので、守ってばかりでは確実にジリ貧で狩られます。最上級レベルの環境で勝ち越すには、手順どおりに打って安全牌を探しているだけでは勝ちきれません。

そこで重要なのが「読み」です。三鳳レベルだと、牌効率の技術では大して差がつきません。できて当たり前の分野です。平面何切るだけやっても強くならないのはこのためです。一方、押し引きは最重要項目ですが、この分野の精度を上げるためには正確な読みが必要不可欠です。読みの精度が高ければ高いほど押し引きの精度も上がります。もっと言えば、「最重要項目である”押し引き”の精度を上げるための読みを鍛えることが勝つための最短距離」ということになります。

ということで、前置きはこれくらいにして(←またかよ)読みについて書いていきます。なお、参考までに、重要度を5段階(★1個~★5個)で表示しておきます。※今回はやや長文です。ジュースなどを用意してください。

1 手牌進行読み(重要度★★★★★)

他家の手の進行を読む技術です。かなり重要です。特に食い仕掛けをされたときの押し引き精度に大きく関わってきます。

例を挙げます。あと一勝で天鳳位というところまで到達した1万戦以上安定八段超えのガチ強者・冬灯さんの実戦譜です。下家から出た東をスルーします。手牌だけ見ればポンして打白で問題ありませんが、なぜ鳴かないのでしょうか(まあ三鳳民で鳴く人はほぼいないんですが)。答えは両脇の仕掛けです。上家は1巡目に1pをポンし、打1m。4巡目に手出し、次巡發と続きます。白中のダブルバックとかホンイツとかそういうやつです。もうテンパイしていますが、テンパイ率はおよそ10~30%程度、仮にテンパイだとしても愚形の可能性が高いので、この段階ではまだある程度無視してOKです。下家は4pの後赤5pをツモ切り、6巡目に生牌の東を手出しです。これはテンパイ率70%以上の合図です。ほかの読みにも関わってくるんですが、下家は面前守備型の先切りを多用する打ち手で、その打ち手が染めっぽい仕掛けに対して赤5pを先に切ってその後に東を手出しするという行為がデンジャーすぎます。①9sを一旦含んだことからも、ドラ8s周辺がメンツに組み込まれている可能性が高い②東より先に赤5pを切ってもフォローできる形かつ6pを持っていない形なのであるとしたら78pや789pの形、またはピンズを1枚も持っていないかつソウズが多面待ちになりやすい連続形になっているという2つが読み取れ、予想手牌は白白78p345789sの6-9p待ちや中中789p34678sの2-5s待ちで打点は3900点または赤入り7700点の手牌です。なので、近い将来上家にピンズが切れなくなり、下家にもソウズが切れないこの状況で東をポンするのは自殺行為なのでスルー安定となります。

他家の手牌進行が読めないと、鳴きに対して必要以上に弱気になるか、知らず知らずのうちに暴牌を連打してした、ということにつながりかねません。言い換えれば、手牌進行読みができないと、ピント外れの期待値マイナス打牌をしていることに気づけない、ということになります。

2 手牌構成読み(ブロック読み)(重要度★★★★★)

他家の手のおよその構成を読む技術です。どのへんで手牌が構成されているかが大まかに分かれば、自分の手牌全体の進め方・ターツ選択に影響してくるのでこれも重要です。

画像は先ほど紹介した画像の次局。また性懲りもなく両脇が仕掛けていますね(笑)まず上家ですが、9mのトイツ落としで回りながらソウズのホンイツに移行したのが透けています。河と牌の残り枚数から、字牌のトイツ(または暗刻)+ソウズ上1メンツ+ソウズ下1メンツ+ソウズのターツ(またはアタマ)でほぼ決まりです。次に下家ですが、①1s手出しで2sトイツ以上濃厚、かつその他のソウズは0枚、②9p手出しで7pトイツ以上濃厚(8pが3枚見えているので)、③8pにロンの声がかからなかったことから、22s+777p(または2sが暗刻)+中中(または西西)みたいな手牌です。8pでロンにならなかったことでダブ東ドラ2の線がやや薄くなり、ダブ東トイトイの可能性が高くなっています。1-4s、6-9s、中、西、2s、7pは絶対に切ってはダメな牌です。以上の情報から、手前視点の冬灯さんは「受けながら山に残っているを残してチートイを狙うしかない」という方針が自ずと決定されます。こんな感じで今後の方針と山に残っている牌が同時に導き出されるため、とても重要な読みの技術ということになります。

3 反射読み(重要度★★★★)

他家Aに対する他家Bの対応によって手牌を割り出す読みの技術。主に、リーチ後の対応で差がつきやすいジャンルです。応用として、自分がトップ目かつ守備力のある手牌の場合に仕掛けをして牽制しつつ、その仕掛けに対する他家の対応を見ながら手牌をあぶりだしつつオリる、という高等戦術などに役立てることもできます。

先ほどから数局進み、南一局。上家のリーチに対して、下家がドラまたぎの2sを強打しています。ここで「リーチに対してトップ目が2sを押した」ということを察知します。これが反射読みを発動させる最も典型的なケースです。まず反射読みで重要なのは、これが危険牌かどうかということです。もし3sが下家の目から4枚見えていた場合は”オリ寄り”という判断になりますが、前述の手牌構成読みを使うと、下家は5sをおそらく1枚は持っています。2sよりも安全な5sを切ってこないのは若干の攻めっ気があるということを意味します。さらに、もし3sがもう1枚あるなら、まだノーテンに見える自分(手前)が攻めたときに手詰まらないように11巡目の時点で3sを連打するのが自然です(トップ目ならなおさら)。つまり、4枚目の3sは持っていない可能性が高いです。また、抜きドラが2枚あることで攻めっ気疑惑はより一層高まります。つまり、「下家は攻めている可能性が高い」という結論になります。したがって、手前の冬灯さんは迂闊にリーチの現物を打たずに徹底してオリるのが正着になります。

反射読みは、点棒状況による他家の行動パターン、相手の打ち方や心理、牌効率や押し引きの知識、その他の読みなどを複雑に組み合わせて読む技術なので、読みの分野では難易度が最も高いです。したがって、重要ではあるものの、ほかの人もそこまでの技術を持っていないことで差がつきにくいのが救いであるため、重要度が★4になっています。そういうジャンルになります。

4 山読み(重要度★★★)

山に残っている牌の枚数を読む技術です。基礎知識があれば機械的に習得できるため、読みの中では最も簡単な部類です。簡単であるが故に「できて当然」なので重要度は★3です。また、山に残っているからといって自分がツモれる保証も河に放たれる保証もありません。ただし、自分の手牌構成に大きく影響してくるので必ずマスターしておきたい技術です。

局が進んでオーラスです。オーラスは平均的な成績影響度が最も高い局なので、全ての読みをいつも以上にフル回転させる必要があります。まず、山読みは手役読みとブロック読みがベースになります。大きく点差のあるラス目の上家は分かりやすくコクシ狙い、いわゆるダメ元の「記念コクシ」です。コクシの場合は、全ヤオチュウ牌の予想残り枚数をマイナス1して計算します。これは三鳳民の共通認識で、その証拠に、手前の冬灯さんはまだ場に見えていない中をトイツ落とし、下家に至ってはドラで役牌の南すらトイツ落とししています。これが手役読みベースの山読みの最も端的な例です。

次に、ブロック読みベースの山読みです。下家の5巡目の1sに注目です。こういう端牌は切り順で山読みが変わってきます。この局面では、コクシ屋さんがいるので微妙ですが、東や發よりも1sを大事にしています。一般的には、1sが役牌よりも早い場合は1s周辺を持っていない可能性が高く、役牌よりも遅い場合は、1s周辺を持っている可能性が高くなります。また、下家の11巡目の赤5sですが、一般的には赤5s切りの場合は4s・6sは持っていない可能性が高いです。たまに暗刻になっているケースがありますが、割合から言うと8:2とか9:1くらいです。

このように機械的に残り枚数をカウントできるようになり、手組みに活かすことができます。とはいえ、他家の手を読んでいれば自然とおよその枚数は把握できてくるため、特段意識して行う必要はありません

5 その他の読みについて(※5つあります)

〇打点読み(重要度★★★★)

仕掛けやリーチの打点を読む技術です。手役とドラの所在が重要です。押し引きに多大な影響を与えるため、とても重要です。

早い巡目の1・9・オタ風からの仕掛けは役牌とドラの所持率高め

・染めかどうかは常に意識

・おとなしい捨て牌での中張牌ポンからの仕掛けは、前後の切り出しからタンヤオか役牌の仕掛けかを考えて手牌構成を割り出す癖をつける

対リーチは、抜きドラ・赤・ドラが自分視点で何枚見えているかをカウント。手牌構成読みからの相手のドラ使用枚数を予想する癖をつける

・”押しの強さ”でドラの所持枚数を予想する癖をつける

など、普段から打点読みを意識することでなんとなく身につきます。

〇ラグ読み(重要度★★★)

ラグから牌の所在を予想し、手牌を部分的に割り出す技術です。捨て牌と”間”から本ラグか偽ラグかを見分ける必要があり、確定本ラグの場合のみ考慮します。

ラグが多めの局は他家の役牌トイツやホンイツを疑う

・例えば3がラグのときは33445などの形がよくあるため、外スジが危険

2枚目の牌がラグった相手はシャボリーチの可能性減

・ラグ牌切りリーチは当然ながらまたぎが危険、かつチートイほぼ否定

ツーアウトさんには通用しない(鳴きなしボタンが”壊れて”いるため笑)

などがあります。

〇打牌スピード読み(重要度★★★)

打牌スピードから手牌の一部や進捗状況を割り出す技術です。一般的にシャンテン前後で打牌スピードがやや遅くなり、テンパイ時にはリーチするかどうかなどの判断で一瞬手が止まることが多いです。また、鳴きでテンパイした後などで、アガリ牌以外ツモ切りモードに入っているときに待ち周辺の牌を引いた場合に、受け変え選択が発生するため、打牌テンポが若干乱れる傾向があります。また、チートイの場合も打牌スピードがやや遅くなりがちです。

〇人読み(重要度★★)

対戦者の打ち方の癖をもとに捨て牌を読む技術です。同卓を繰り返すか観戦し続けることでしか習得できません。

〇放出傾向読み(重要度★★)

河に放出されやすい牌の傾向を読む技術です。主に出あがり狙いのときに使います

・一般的には1(9)>2(8)>3(7)>5>4(6)の順で河に出やすい

リーチ後(特にリーチ後5巡以内)の打牌は連続して切られる(トイツ落とし)の可能性が高くなる

・リーチ後は、ヤオチュウ牌(特にトイツ落とし)の放出確率が高くなる

・間四ケン牌は河に並びやすい(序盤2切りの場合、7も同じ河に切られることが多い)

役牌処理の後の2切りの次巡は1が出やすい

・序盤の5切りの後は1や9が河に並びにくい(235や578の形が多いため)

以上のような牌のメカニズムから”河に置かれそうな牌”を予測して、ターツ選択や残す牌を決めるときに役立ちます。

【まとめ】

今回は読み飛ばしたくなるような少し難しい内容でしたが、「長期安定八段超えを目指す人」や「天鳳位を本気で目指したい人」であれば避けては通れないジャンルです。インプットだけでは習得は難しく、実戦と牌譜検証を繰り返すしかないので、面倒この上ないんですが、習得できるよう挑戦してみてはいかがでしょうか。

多趣味なのに、それらがことごとく実生活でほとんど役立っていないという事実に気づいてしまったペンギン♂
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コメント

  1. 灼眼のときさん より:

    読みについて詳しい解説ありがとうございます!少しコメントさせて頂きます!
    私は読みを多用するタイプですが、正直言うと精度は高くありません。
    いま気になっている事を質問するので教えて頂きたいです。

    ご存知の通り私は先切りを多用するタイプのため、複合形でない限りは宣言牌の1つ隣の牌が当たりになることは、恐らく普通の人より少ないです。

    逆に言うと、目一杯にするタイプの人の場合は宣言牌の周辺が危険ゾーン、他の方で先切りをするタイプの人は宣言牌よりも前に切られた牌のまたぎあたり(字牌の安牌切りリーチなどでは特に)が危険ゾーンと思ってるのですが、その認識は合っているでしょうか。(先切りするタイプの人でも宣言牌の2個隣の牌はシャボがあるため安全ではないと思ってます。)

    • ペン太 より:

      点棒状況と他家の仕掛けなどで全く変わるので一概に言えませんが、打ち方を問わず、序盤の外スジは安全度が高く、テンパイ付近のまたぎは危険度が高いです。そのかわりその割合が少し違います。ブロック読みができていれば、先切りかどうかを見極めなくても「そのあたりにターツ(メンツ)がある」と分かるので、ブロックまたぎは当たる可能性があると認識できます。あと、先切りしがちな打ち手は、「場に高い色の真ん中の牌」を早めに切りたがる傾向があるため、場に高い色の序盤~中盤またぎなどは普通の無スジと同程度の危険度になります。

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