さて、第6回は満を持して書かせていただきます。三鳳界のレジェンド「お知らせ」さんです。(ハイキューさんお待たせしました!)三鳳界でお知らせさんを知らない人はほとんどいません。そして四人打ちの鳳凰卓でも知らない人はほとんどいないと思います。まずは成績を見てみます。
〇対戦数 26676戦(化物ですw)
〇安定段 8.2091(この対戦数でこの数字はかなりすごい)
〇最高段位 十段(サブアカ含めて10回到達しているようです。やばすぎる)
〇最高R 2466(すごすぎる。あと3トップで天鳳位、というところまで到達しています。)
〇アガリ率0.2893 放銃率0.1343 リーチ率0.2773 副露率0.2351
この4項目は全て標準値の範囲内ですが、ややアガリ率が高めです。わずかに攻撃型寄りです。
最多対戦者:ツーアウト(587回) まさかの500超えw この人も超有名な鬼打ちプレイヤーで、ホンイツと並びシャボ待ちが大好き、常に鳴きなしボタン押さないスタイルの人です。10年以上前の話ですが、当時のプレイヤー「松本マリーカさん」のお父さんというのを耳にしたことがあります。近年では朝4時頃によくひょっこり現れては打っていました。最高十段最高R2460超えのレジェンド雀士です。
対局数が多いため、実力どおりほぼ勝ち越しです(対戦数上位で唯一負け越しているzkurtさんはガチ強者の方です)は。なお、一説には、お知らせ+ツーアウト+神速★.comの打数が三鳳卓の対戦のほぼ半分を占めているとかいないとかいう噂もあるくらいです。※この3名のサブを含めた打数は10万戦をはるかに超えます。
【打ち方の特徴】
やや攻撃寄りのスタンダードバランス型。真っすぐ隙なく手を進め、愚形でも関係なくガンガン曲げます。打点はそこまで高くなく、圧もそこまで強くはないですが、「いつの間にかトップを取られている」ということが多いです。また、やや攻撃寄りの手数重視の打ち方ですが、対応はかなり繊細です。牌効率、押し引き、読み、鳴き判断、南場の状況判断など、全ての能力が高いレベルでまとまっています。一言で言えば、「現代麻雀のオーソドックスな打ち方の精度をひたすら高めた打ち方」です。
【その他の情報】
・東大理系雀士
・四麻天鳳位(三麻も十段到達回数おそらく1位です)
・天鳳に1万時間以上を費やしている
・天鳳の本を出版している(通称「お知らせ本」)
・有名すぎて「追っかけ」がいる ※ハイキューさん、あなたのことです。
・2011年から天鳳に参入。12年目のレジェンド雀士。
・メディアにも出ている。
ほかにもいろいろありますが、天鳳への貢献度・知名度・実力の全てを兼ね備えた天鳳界のレジェンド。スーパースターです。
【対局紹介】
今回はいぬわんさん(対面)と新世界の紙さん(上家)との一戦をダイジェストで見ていきます。新世界の紙さんは鬼打ちプレイヤー(試合数およそ15000試合)の一人で、ほぼ安定八段(最高十段)、お知らせさんと同時期に始めた有名プレイヤーです。いぬわんさん(最高九段)も6000試合以上打っているため、この卓だけで相当な試合数になります。ではまず東一局から。
開局4巡目親リー。役牌とオタ風の切り順が逆です。捨て牌が濃い場合はチートイが疑わしいんですが、愚形含みなら役牌が後になりがちなので、メンピンドラの両面リーチですね。タンヤオやイーペー、ドラなどの可能性を考慮すると、放銃打点が11600点を下回ることはほぼないので、オリ安定です。
さすがにここはお知らせさん。ヌルい押し方はしません。ちなみに、リーチ後の対応もとても上手いです。zkurtさんなどは少し捻りながら柔らかく回しますが、お知らせさんの回し方は素直に回す感じです。
東2局。1巡目に南を即ポン。遠いですが、そこそこの打点と守備力があるため鳴きます。これは鳳凰民でも意見が分かれるところですが、体感7割以上の人が鳴きます。ただ、こういう鳴きは大体リーチが入るので、リーチ後の対応に自信がない人は鳴かないほうが無難かもしれません。
お約束のリーチが入ります。しかも2軒リーチです。ここもほぼオリ安定の局面ですが、手牌の守備力が高いので安心感がありますね。上家の親のリーチは1p→2pの切り順なので、ピンズが複合形(またはタンヤオ含み)です。245677pから7pをアタマにしたソウズ待ちとか、24456から4pが切れないので亜リャンメンで渋曲げしたような感じです。4-7pとソウズ(1sが早いので4s周辺が特に危険)が厳しいです。対面は捨て牌に全くキズがなく全く読みの手がかりがありません。打点と形の両方の条件を満たさない限り押すのは厳しいです。
東3局。ここまで防戦一方でしたが、お知らせさんの見せ場がやってきました。対面はまだテンパイには見えませんが、上家の仕掛けはテンパイ率80%以上です。ただ、9mと赤5sを自分が持っているので、打点はほぼ2000~3900点程度です。待ちは本命1-4pと2-5-8s、対抗4-7sあたりです。2s→4sと払いたいところですがこの2スジはかなりキツイ。が、2sを強打!4sも切る気満々です。打点・形の条件がそろっていて、仕掛けが安いので押すならここしかありません。6p7p落としでセーフティに・・・つまり”「安全」であることの愉悦(ニチャア)”をしていい局面ではありません。
ソックスさん、すみません。使わせていただきます。
見事親満に仕上げました!ここまで押し引き完璧です。さすがお知らせさんです、隙がありません。
一本場。先切りで打5p。お知らせさんは、受けを意識したときはわりと早い段階から対応する傾向がありますが、普段はこういう効率を無視した打牌が少ないプレイヤーです。南場のトップ目で役ありでもリーチすべき手は曲げるし、手を狭めずに基本に忠実に手を進めることが多いです。ではなぜこのような打牌をしたのか・・・答えは対面の捨て牌にありました。
まず、抜きドラ3枚。これだけで強烈なのですが、7s→1mの切り出しは役牌トイツなどを持っていて鳴ける手牌のときに見られがちな切り順です(鳴きでターツを計算しやすいのでくっつきを早めに見切るため)。1mがドラなので1mが後なのだと思いますが、抜きドラ3枚は1巡目で全て抜いているため、ラス目とはいえ打点を見て手を狭めることはせずに目一杯に構えるはずです。つまり、”重なりを見る余裕があるくらいまとまっている手牌”からのドラ切りで、6巡目の打4sは確実にシャンテン以上です。その対面に対して發をポンされたらもう5pはとても切れる牌ではありません。正確な牌効率、正確な押し引き、そしてこの繊細な対応力がお知らせさんの強さの根幹です。本当に隙がない。
それでもテンパイが入ればしっかり曲げます。対面の待ちは中、1-4pが本命、対抗は2-5sとシャボ待ちの3p、あとカン2pあたりです。危険牌の2sと手詰まりになったら上家から出そうな9s待ちのシャボ待ちでツモ倍リーチです。結果は上家のアガリでしたが、対応しながらも手を仕上げているのが怖い。
南2局。これだけ完璧に打っていても麻雀とは不条理なゲームです。トップ目から今にもこぼれ落ちそうなダマ満テンパイを入れながらも、先に対面にコクシをツモられます。リア麻雀なら台パンパンしてそうですね(笑)
ハイキューさん、すみません。使わせていただきます。
オーラスはリーヅモイーペードラ3の跳ツモで西入まであと一歩・・・というところまでこぎつけましたが、無情にも6巡目で終了。あぁ、麻雀とはなんとクソゲーなんでしょうか・・・!とはいえ、結果こそラスでしたが、終始納得感のある内容で、強さが凝縮された一戦でした。今回の対局紹介はこの一戦のみですが、打ち方の特徴や強さの秘訣を知るには持ってこいの内容だったので、この対局を採用させていただきました。
【おまけ】
おまけとして、お知らせさんのことが分かるフォトギャラリーをいくつか掲載します。
あ、間違えました。りゅすくさん(下半身露出フォルム)を載せてしまいました。
天鳳位リストにもしっかりと載っています。
以前ブログにも載せましたが、歴代の年間対戦数ランキングにもちらほら名前が出ています。
どこまで押すか難しい場面でも当たり牌だけ磁石のように止まります。手牌構成読み・手牌進行読み・スジカウンティングの3種複合読みで、2p、5ー8p、8s以外は押せる場面ですが、「5sは押して8pは止める」というクレバーな判断を当然のように決めてきます。※5sを押した以上8pも押そう、親が打ち込んだら最悪なので5sもやめておこう、となる人が多い場面です。
以上、フォトギャラリーでした。
【まとめ】
お知らせさんは、基本技術を鬼打ちにより高い水準まで引き上げることによって、これだけの実績を残しています。「一日30戦、感謝の三鳳」をこなせば、我々もいつか”ストレス”を置き去りにできる日が来るかもしれません(笑)観戦して勉強するなら、特におすすめしたいプレイヤーの一人です。
コメント
十段回数はサブ垢の海胆トロ烏賊を含めると10回
レジェンドですね。
観戦していて、特に手組みとベタオリの精度が異常です
月1000本の鬼打ち安定段位を競ったら間違いなく1位でしょう
10回!すごいですね(訂正して記事に加えさせていただきます)。
まさに天鳳の教科書です。
神記事すぎてもう20回以上は読んでます!
高性能バランス型→やや攻撃寄りのスタンダードバランス型など追記された部分も気づいてます笑
「お知らせさんへの感謝の気持ちを忘れたらお終い」
そう教えてくれたのは吉田さんでした。
いつまでも偉大な背中を追い続けていきたいですね!!!
自分も同じくらい見返して微修正入れまくってます(笑)←力入れてます
”吉田さんが”ですか・・・これまたビッグネームですね。
我々も見習って精進しないと、ですね。