第5回目は注目のアクティブプレイヤー「灼眼のときさん」をご紹介。お知らせさんかkurtさんあたりを書く予定でしたが、やはり注目のアクティブプレイヤーを書かないわけにはまいりません(ハイキュー!!さんごめんなさい、お知らせさんはまたの機会にさせていただきます)。
※三鳳ペディア・・・ハイキュー!!さんとは、『天鳳の実績+貢献度歴代1位の打ち手兼マスコット的存在である”お知らせさん”』を誰よりも知る三鳳プレイヤー。自身も現在八段であり、固定ツイートは当然のようにお知らせさん関連ツイート。そしてお知らせさん関連のツイートがあれば、botのごとくツイッター(X)のコメント欄に現れるというほどのお知らせマニアである。
ではさっそく成績から見ていきましょう。
【R5.8月現在の成績】
試合数 1226戦 すごい勢いで打数を増やしていますが、まだ少なめです
安定段 8.7441 打数が少ないとはいえ、安定九段に迫る勢い。かなりすごい。
最高段位 十段 非常に少ない打数で十段にタッチし、そして長期間十段を維持しています。すごすぎる
最高R 2398 ほぼ2400です。さすがの高レート。
アガリ率 0.2886 やや高め
放銃率 0.1180 驚愕の12%切り!かなり低い
リーチ率 0.2752 標準~やや高め
副露率 0.1711 こんな数字見たことないレベルで低い
彗星のごとく現れ、あっという間に十段到達、そしてずっと維持し続けているのがすごい。十段のポイント配分は維持できるレベルではない鬼配分なので、それを維持するのはかなりの実力か運がないと不可能です。目を引くのはやはり放銃率と副露率の異常なまでの低さ。かなり独特なスタッツです。
対戦した印象ですが、ダマや仕掛けにかなり早い段階から対応していると思われる場面が多々あり、「なんだよそれ」みたいなことがほぼありません(押し引きに違和感がない=正確)。なかなか放銃しないんですが、相手の手をかいくぐって頻繁にリーチを打ってきます。守備型にもかかわらず圧が強めです。ちなみに、このリーチ率でこの放銃率に抑えられているのははっきり言って化物です。そして、この副露率でこのアガリ率を叩き出しているのも異常です。相当細部まで場が見えていないとこの数字を出すのは不可能です。三鳳史上最高R2539を記録した天鳳位の(´へεへ`)さん(しかも5000戦以上安定8.7段)が三鳳史上最強という意見が聞かれますが、もしかしたら歴史が塗り替えられるかもしれません。そのくらい衝撃的なスタッツです。”卓上での会話”が成立するので、個人的には「強いけど連戦したくなる打ち手」です。
最多対戦者:朧月桜★(66戦)
負け越しが数えるほどしかありません。絶景です。得意・不得意がはっきりと分かれている印象を受けますが、おそらく対局数が少ないのが原因です。彼に勝ち越している天ヶ瀬奈月さん、ハリーフッターさん、龍、巣食うさんなどは昇天戦にスナイプ要員として派遣されるべきです(笑)
【打ち方の特徴】
どこをどう見ても面前守備型。現在、三鳳にこの打ち方をする人はいません(むしろできません)。ラス率は異次元の26%!そしてツモ率が51.5%となっており、良形重視の傾向が見て取れます。そして、意外なんですがかなり攻めが厳しいです。守備型を微塵も感じさせないくらい踏み込んできます。これらの事実や数字を総合的に判断すると、「面前で正確に手を進め、山や他家の手を正確に読み切り、余計な放銃をしないよう細心の注意を払いつつ、ツモあがれる手をリーチするということが徹底されている」と予想されます。対局してみればなんとなく感じると思いますが、ゾーンに入ったときのだーよさんと同じレベルであまり勝てる気がしないです。
【対局紹介】
さて、では対局を見ていきます。
ガーネットさん、ときさんキラーの天ヶ瀬さんとの一戦から。この巡目のこの手牌から4pを先切り。仕掛けが入っているとはいえ、まだ4巡目で1sが見えておらず、2着目ということもあって、ここでの先切りはけっこう勇気がいるんですが、なんと両サイドとも4pを必要としています。結果的には2pロンで5200点をあがるんですが、どんな嗅覚してるんでしょうか。
続く南一局。西をポンされた直後打5s。上家がホンイツ気配の切り出しなので、ここからすでに対応しています。が、問題はそこではなく・・・
この發です。一見何気ない打牌に見えます。ですが、よく見ると7pが2枚切れなのでとりあえず9pを切りたくなります。ではなぜ發なのか?①ピンズが安いので厚く持ちたい(例えば7pを引けば3-6-9pの三面受けができる)、②まだテンパイしていない可能性のほうがわずかに高い上家に対して先に發を処理しておかないと、發とドラの南を抱えて手を進めた場合この手は崩壊する、という2つの理由からおそらく發を切っています。上家のソウズが余ればもう發は行けないので、とりあえず様子見の9pは緩手になり得ます。切るならまさにこのタイミングしかありません。まっすぐ系の打ち手が發をここで發を打つのは分かりますが、5sをこんなにも早く処理する守備型の打ち手がこのギリギリのタイミングで發をリリースするという攻撃的な一面を持っているところがミソです。高度な攻めと守りを実現するためには、このギリギリのバランス感覚が大切です。
続く一本場。3巡目でこの9s。親にエンジンがかかってきたのを見て、オタ風の東を絞っています。牌効率はかなり正確なはずなので、これは明らかに意図して絞っています。仕掛けが入っていなくても序盤から対応しつつ、”押し返せる手牌構成”を考えて手を進めています。
次は、対打撃系の試合を見てみましょう。上家はだーよさん。リーチにもかかわらず平然と加カンする狂気の打ち手です(笑)下家の龍、巣食うさんのリーチ後の發をスルー。まぁこれをポンするわけはないんですが、一応確認のため載せておきます。決してだーよさんのヴァイオレンスさを公開するために貼ったわけではありません。
南一局7巡目。ここからなんと打8s!安全牌の中を残しつつ、ドラを使い切って良形になった場合のみ攻める打牌です。これはなかなか打てない・・・
・・・からのツモあがり。この手順は踏めない。良形意識が強いことはなんとなくわかりますが、「守備の意識を強く持ちつつ、押すに見合う手以外は拒否する」という意識も働いていることがわかります。危機管理能力と手牌構成能力の高さがうかがえます。
ラス前。トップ目なので危険牌を先処理しつつ役ありテンパイ以外拒否します。
もちろん徹底的に、です。
ドラ3のホンイツでも容赦なくカン。ラス目とは言え、さすがはだーよさんです(笑)この狂気の仕掛けに対して、次にピンズを引いたら間違いなく回るはずですが、ピンズを引く前に出あがりです。なお、3巡前に6pをプチプッシュしている点にも注目。打てば跳満以上ありそうな仕掛けに対して、トップ目であるにもかかわらずギリギリを通しています。守りながらも紙一重の攻めを成立させているのが地味にすごいです。
くどいようですが、とにかく先切りが多いです。だーよさんがやけくそでコクシ狙いしているとは言え、南ポンを拒否してまで4p先切り。ドラを手放してポンされることだけは絶対に許さない構えです。おそらく6pツモなら素直に1s切りだと思いますが、リスク管理が徹底されています。
ラス前2本場(親)。ノーテンで伏せてオーラスへ・・・と思いきやまさかの続行希望。あと2牌ですが、9mが2枚山にいる可能性が極めて高いので、そちらに賭けています。普通の三鳳民なら東切りで伏せる局面ですが、山読みの精度と守備力に絶対の自信がなければ普通は続行はできません。もう一度言います。自分の雀力に自信がなければこの選択はできません。
最後は鳴きに関する判断を見ていきたいと思います。zkurtさんとれすこさんとの一戦。南場の親でトップ目ですが、1枚目の東をスルーします。安全牌を確保しつつ染め・チートイ本線で進め、手がまとまってきたら仕掛ける感じだと思われます。
親が流れて南2局。さすがにこの南は鳴きます。問題はその次です。
ここから完全シャンテン拒否の3p先切り!!!ま、まじですか(;・∀・)ここまでリスク管理を徹底しているとは驚きです。きっと「鳴きは足りない牌を補うための行為にすぎず、リスクを犠牲にしてまで手を広げることはせずに、”鳴き面前”の感覚で手を進める」ということなんでしょう。自分もかなり先切り体質ですが、ここまで思い切った先切りはできません。もしかしたら、先切りが次世代のスタンダードになるのかもしれません(先切りは数値化が難しく戦術書に書きにくいため、なかなか開発されないとは思いますが)。
余談ですが、この場面で他家の手を読むと、対面は1p→2p→南の切り出しで、ターツ整理の後に完全安全牌の南を手放す以上、形が決まったシャンテンの可能性が高く、3pはバリバリの危険牌候補になっています。また、下家は8p切りの後に1m9mあたりが出ているので、チートイの目も若干残った字牌トイツ以上持ちの複合手牌に見えます。おそらく1~2シャンテンですが、3pは将来的に危険になり得ます。そのあたりを考慮して3pを先切りしたと思われます。
【まとめ】
今回は驚きと発見が多く、ネタ画像を載せる余裕もありませんでした。そのくらい興味深い打ち回しで、とにかくリスク管理が徹底されている印象を受けました。攻めと守りのギリギリのバランスが興味深く、記事を書いていて勉強になりました。みなさんもこれを機に、レッツ先切り・・・じゃなくてリスク管理を勉強してみてはいかがでしょうか♪
コメント
今回も素晴らしい記事ですね!!
3p先切り勉強になりました!
ペン太さんの言語化能力と三鳳への愛がすごくていつも読んでいて楽しいです。
お知らせさんの記事はいつの日かずっとお待ちしております
ハイキューさんコメントありがとうございます。
勝手ながら挙げさせていただきました♪
お知らせさんの記事も書く予定ですのでお待ちくださいね!
本人です。
たまたま自分の事をエゴサしていたらこの記事に辿り着いたので、全文しっかり読ませて頂きました。素晴らしい記事でまとめてくださって、ありがとうございます。
そして、素晴らしい分析力に驚いております笑
長文になるかもしれませんが、せっかくなので恐縮ながら補足させて頂きます。
私の場合は、基本的には相手の先制リーチに対して押し返す前提で先切りをすることが多いです。無筋の種類が多いと、押し返す手順が複雑になるからです。
天鳳を始める前までは普段はかなり攻撃型の麻雀をしてましたが、ルールに合わせる形で天鳳では面前守備型を採用しております。(段位が上がる毎にラスのマイナスが大きくなるため)
今回採用して頂いた記事の最後の局面の3p先切りですが、概ね記事通りの解釈で正しいです。10枚面前みたいなイメージで、1mが仮に出ても守備力が皆無になるので鳴く気はなく、そもそも3pが鳴ける可能性が低いと判断したためです。
先切りは常にリスクとリターンを天秤にかけて判断する必要があるので難しいですが、手牌が短くなった手ほどリスク管理の意識を高める必要があると思っています。
長文でかつ駄文で大変失礼致しました。
私自身こうして分析して頂いたおかげで、自分の麻雀を客観視することができ、参考になりました。ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
明らかに守備型スタッツなのにやたら圧を感じる(攻め慣れてる感がある)と思ったら、そういうことだったんですね・・・!納得です。
良かったらSNSなどで交流できたらと思います(ツイッター(X)で検索しても出てこないので連絡が取れる方法を教えていただければコメントします)。
ちなみに、ここでは明かせないのですが、SNSであれば自分の正体をお教えします(笑)
ツイッター(X)はやったことがなかったのですが、これを機にアカウント開設しましたので、フォローして頂けたら幸いです。
灼眼のときさんという名前で灼眼のシャナの画像です。プロフィールに三鳳で打ってますと書いてあるので、見たら分かって頂けると思います。
また、正体を教えて頂ければと思います笑
よろしくお願いします。
おぉ、ありがとうございます!さっそくフォロー申請しました(※三鳳用にアカウント作りました。名前は”ペン太”です)。
フォローバックしていただければコメント入れます♪
本人です。
たまたまこの素晴らしい記事に辿り着きましたので、せっかくなのでコメントさせて頂きます。
昨日の時点で全文拝見させて頂き、感謝の気持ちを込めてかなり長文でコメントを書かせて頂いたのですが、長文過ぎて反映されなかったみたいなので簡潔に書かせて頂きます笑
当方、普段は超攻撃型の麻雀を打っているのですが、天鳳ではルールに合わせるかたちで守備型を採用しております。そのため、数値上では守備型なのに、攻撃型の印象を受ける方が多いのではないかと思っています。
先切りに関しても、基本的に押し返す前提で無筋の種類を予め減らしておく意図で切っていることが多いです。それが天鳳では守備面でも役に立っているのだと思われます。
運良く十段になることができ現在で300半荘以上打ちましたが、幸いなことに地獄を引くことなく原点付近をずっとウロウロしてます。このままいけば、恐らく地獄を引いたら1日で降段するはずなので毎日ヒヤヒヤしています笑
記事を全文読ませて頂きましたが、素晴らしい分析力にただただ驚嘆しております。
おかげで自分の麻雀を客観視することができ、自分自身大変勉強になりました。ありがとうございました。