第4回目は三鳳アクティブプレイヤー代表「ガーネット」さんの紹介です。
冬灯さんと並んで観戦ランキング上位によく表示されています。打数が多く、最近でも打ってない日はないんじゃないかというくらい観戦欄にいます。三鳳を本格的に始めてから2年経っていませんが、鬼打ちによって実力をつけてきた打ち手です。”中の人”はRMUという麻雀プロ団体に所属しているプロの方です。現三鳳Rランキング2位です。
では、総合成績を見てみましょう。
【R5.7月現在の成績】
試合数:7683戦 多い
最高段位:十段 すごいです
最高R:2419 R2400超え。こちらもすごいですね。
安定段:7.488 標準的な数値ですが、”成長期の成績”が含まれているのでなんとも言えません。
アガリ率0.2998 高い
放銃率0.14.31 放銃やや多め
リーチ率0.2795 標準。鳴きの多さを考慮すると高め。
副露率0.2631 やや高め
わかりやすくアガリ率に寄せています。典型的な打撃系スタッツです。食い仕掛けも比較的多く、ギリギリまで押してあがりをもぎ取るタイプです。こちらの攻めに対しても、イヤ~な押し方をしてきます。対局した感じ、なんとなくNAGISUKEさんと似たようなオーラがあります。
最多対戦者:れすこ、冬灯(両方とも166戦)
ポケットさん、新世界の紙さんあたりは自分もあまり勝てる気がしないので負け越しも致し方なしなのですが、強者との直対も勝ち越しが目立ちます。全体的に”繊細対応型”の打ち手に対しての勝率が高めです。実際に対局してみると圧が強いので、対応させられることが多いです。対応型の打ち手からするとイヤな打ち手です。
【打ち方の特徴】
ザ・打撃型。高和了・高放銃というほど突出しているわけでもなく、スピード重視でありながら、打点もそこまで低くありません。ただ、なんというか圧がすごいんですよね・・・。ポケットさんなどはサバイバルナイフで切り付けてくるイメージですが、この人はダンプカーで轢き殺してくる感じです(笑)対局してみれば言っていることがなんとなく分かると思います。やや”粗挽き”な面もありつつ、怖さを感じる打ち手です。
【その他の情報】
・前述のとおりですがRMUのプロ。相変わらず三鳳Rランキング上位はプロやら東大生やらばっかりですね。
・応用情報技術者試験に合格している。
・社会人になってそこまで経っておらず、若い。
【対局紹介】
まずは基本スタイルが分かる場面を。
対面の開局親のリーチに対してドラ7含みの超絶チャンス手です。親はパッと見、ピンズに寄った字牌待ちのチートイかピンズの良形、または6-9s待ちっぽいリーチです。最終手出し字牌で愚形カンチャン・ペンチャン待ちリーチの可能性は通常よりも低く(形が安定していればフォロー牌を必要としないため)、ある程度形が決まったシャンテンからのタンキか両面待ちが濃厚です。大体そんな親リーです。
12s辺りで様子見をせずにラフに押していきます。チャンス手とはいえ、親のリーチに愚形含み2シャンテンから真っすぐ向かう打ち手はあまりいません。しかもそれがなかなか刺さらない。まさにこういうとこなんですよ。親としてはイヤ~な感じです。
次は対応力が光る一局。下の画像の場面で・・・
上家(朧月桜★さん)のリーチ。キモイ系の捨て牌ですが、なんと3巡目コクシリーチです(笑)これを受けて、表示牌に見えている9mのトイツ落とし。通常であれば5pまたは2p→9mの順で回していく場面ですが、この半荘、次の画像のような放銃をしています。
えげつないほど露骨な先切りです(笑)こういうタイプの打ち手であることを認識し、しっかりとアジャストしています。ここ1年でメキメキと実力を付けている理由の一つは、このアジャスト力にあります。
では、最後におーくりーさんと天ヶ瀬奈月さんとの九段・十段オンリー卓をダイジェストで見ていきます。ちなみにおーくりーさんは十年以上前からいる古参プレイヤーでこのとき十段。ネマタさん、精神srrtさん、abantesさんらが参加した三鳳オフにも参加していました。天ヶ瀬さんは以前取り上げた鉄強プレイヤーで、このとき九段です。まず東一局から。
先制親リーに対してこの跳満確定から追っかけリーチ。この人、鳴いてない局は大体曲げてます(終盤満貫以上でも頻繁に曲げてます)。自分は5p引き→東切り曲げのルートを見てダマ跳で押す(しかも9sが比較的親に通りそうなのもある=準現張り)のですが、親はパッと見てせいぜい3900・5800程度なので、問答無用で狩りにいきます。
局は進んで南2局。ガーネットさんが親です。2巡目に天ヶ瀬さんがオタ風の東をポン!ブラジル並みに遠い仕掛けです。牽制目的・あわよくばの仕掛けですが、天ヶ瀬さん、こういうプレイを覚えたんですね(笑)普通なら親はちょっと困る局面ですが、親は暴君ガーネット。
小技は通じませんッ・・・!!!暴力リーチから当たり前のように四暗刻をツモ。あのゴミ配牌を高め跳満テンパイに仕上げている天ヶ瀬さんもさすがです。
一本場。この局面、じつは一番難しい立場なのは上家のおーくりーさん。ラス目のリーチに打つのは最悪だし、親に打つわけにもいかない。また、自分が上がっても順位期待値にさほど影響がない上に、自分以外があがるのはそれはそれで面白くない・・・という立ち位置。それに比べて残りの2人は役割がはっきりしています。親のガーネットさんはオリるだけ。日曜劇場「VIVANT」の録画でも観ながらテキトーに安全そうな牌を並べるだけのゲームです。天ヶ瀬さんはアガってラス親を持ってくるだけ。veryイージーです。ということは、ここは打7pで後はテキトーに安全そうな牌を並べていくだけ・・・のはずがなんと打8p(ドラ)!!!なんか通りそうな雰囲気はありますが、あえて無スジのドラを押します。
6pを引いてテンパイ。点棒状況を考慮すると、エンド抽選もないこの状況、アガリの価値は低く、放銃することがただただ罪。テンパイに取ることすらためらわれる。ましてやリーチなど打とうはずが・・・
「リーチです」
失礼しました。画面手前はガーネットさんでした(笑)結果は言うまでもありません。
太い。あまりにも。下家の天ヶ瀬さんがディスプレイの向こうでどんな表情をしているのかものすごく気になります。明日の仕事に差し支えなければよいのですが。
続く二本場。当然のように牌が横向きに曲がっています(笑)まだアガリ足りないようです。
結果は言うまでもないんですが、トドメの一撃が炸裂しました。同卓者の「おいおい、やりすぎだろ・・・」というため息まじりの声が聞こえてきそうです。まさに暴君。爆走コンボイ。ダンプカー。ちなみに、”平面局収支”という観点で見ると、これらの選択は問題ない着手であることから、「状況にあまり縛られることなく、局収支に忠実に打つタイプ」と言えそうです。
積極的に仕掛け、積極的に曲げ、ひとたび「ゾーン」に入ったら永遠にアガリ続ける暴走マシーンになる。そんな持ち味が存分に味わえる対戦でした。同じ三鳳民でも、場況による”対応変化量”の多いソックスさんのような打ち手とは対極にある打ち方ですが、どちらの打ち方でも三鳳で生き残ることができます。最後になりますが、くれぐれも”ゾーン”に入ったガーネットさんとの同卓は避けてくださいね(笑)
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