データの普及により、ひと昔前に比べて格段に全体のレベルが上がっている麻雀。
「ひと昔前」と言えば、流れやオカルトが全盛期の時代で、デジタル打法に批判的な声が多かったと記憶しています。「麻雀はデータじゃねえんだよ。流れだよ、流れ。運の動きを測ってこそ一流。」みたいな意見が大半を占めておりました。今考えるとある意味宗教です(笑)現代では、データや確率をもとに、ロジカルに打たないと全く勝てない仕様になっています。時代の流れってすごいです。
さて、今日は現代麻雀において常識となりつつあるセオリーについていくつか書いてみます。
1、ピンフドラ1はリーチ?
「場況による」とお答えされる方は大体初級~中級者の方ですが、それを言っては何一つ話が進みませんよ(笑)
”局収支”という考え方が一般的になっていますが、これは「その着手をしたときに平均してどのくらいの収支になるか」というもので、高ければ高いほど「良い判断」ということになります。つまり、どんな状況であろうと全ての局面でその行動を取り続けたら概ね局収支どおりの結果が得られます。
結論を言うと、大体1600点ほどリーチ優位です。ピンフドラ2もリーチ優位。というかダマが局収支で優位となる手牌は全体の割合で言うとかなり少ないです。迷ったらリーチが正解なんですね。ただし、アガリ率が15%程度下がるため、より確実にアガりたい局面も数多く存在するため、ダマのほうが良いケースも意外と少なくないです。最終的に100点でも多く点棒を持った人が勝ちなので、「何がなんでも局収支=回答だ!」という考え方が必ずしも正しくはないことも覚えておきたいです。
2、安全度は字牌≒外スジ>スジ>ワンチャンスの順
早めに切られた牌の外側の牌を外スジと言いますが、じつはこれが一番安全。平均すると字牌と同程度の危険度です。また、ワンチャンスよりスジのほうが一般的に安全です。危険度の差はそれぞれ1~3%程度ですが、迷ったときの指標になります。
3、早い5切りの1-4、6-9待ちは通常の2倍程度危険
正確には危険度1.8倍となるようです。逆に宣言牌が5の場合は、5以外の全ての牌が危険となるため、当てはまりません。「その色を1枚も切っていないときに、自分が2か5を切ってリーチできるときには、5を切ってリーチしたほうが相手にとってはやりづらい」ということも覚えておきましょう。
4、ダブリー良形率は30%程度
3回に2回は愚形です。そして多くの場合チートイです。ダブリーには意外と456牌が通りやすいことを覚えておきましょう。
5、チートイ字牌待ちはリーチ
じつはチートイはリーチしたほうがアガリ率が高くなるという特殊な役です。なので、打点の上昇がそのまま局収支に上乗せされます。なので、字牌などの良い待ちであればリーチしたほうがオトクです。また、アガリやすさは、序盤は1枚切れ>生牌>地獄待ちの順です。中盤以降は、1枚切れ>地獄待ち>生牌の順に変わります。
6、1巡目にドラの字牌をポンされる確率は3%
巡目が進むにつれてドラが重なる確率が上がります。また、巡目が進んで形ができてくると、「ドラだけど形が整っていないから鳴かない」というケースも減ってくるので、さらに鳴かれる確率は上がります。第一打ドラ切りは理にかなった戦術だったんですね。
7、テンパイ時、ハイテイで無筋プッシュは押し有利
その牌の危険度や他家がテンパイしているかどうかにもよりますが、概ね押し有利です。普通の感覚だと、「ハイテイでテンパイ料ほしさに暴牌切るやつがあるか!」となるのですが、数値だけで言うと、押し有利なんですね。「ノーテン罰符を払うことを100%確定させる行為」というのは思ったよりも罪深いようです。
8、遠いスジ、遠い裏スジ読みはじつは有効
遠いスジ(1が切られている捨て牌の4-7待ちなど)は若干安全度が高くなります。また、遠い裏スジ(1が切られているときの5-8待ちなど)は若干危険度が上がります。2~3%の差ですが、「1.3~1.4倍程度危険」と言われると案外危険であることがわかります。
9、ツモリ四暗刻はダマ
漫画の影響もありますが、「四暗刻は最終形。ツモリたいからリーチ!」という人が多いです。実際のところ、ツモ率は2~3%しか変わらず、ロンも含めたアガリ率は10%以上下がります。打点がどうしても欲しいときや捨て牌が強いとき以外は基本ダマが正解です。
10、現張りはリーチ
リーチの現物になっている牌で自分が役ありテンパイしたとき、ダマにしたくなるのが心情ですが、局収支で見ればリーチ優位になります。ただし、その局収支の差はあまり大きくなく、アガリ率が20%近く下がるため、ダマのほうが有効な局面もかなり多いです。
【ペン太のコメント】
意外と「へ~、そうだったんだ」ってなるやつも多いのぅ。特にわしら年寄りにはのぅ・・・
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