こんにちは、ペン太です。今日は天鳳三麻に本気で取り組む人に向けてのメッセージを書いてみます。「全然勝てないから面白くない」「麻雀がつまらなくなった。もう麻雀やめようかな」という人にはぜひ読んでいただきたい内容になっています。まずは、打つときに心掛けたい5つのことから紹介していきます。
★打つときに心掛けたい5つのこと
1、三麻はあがれる待ちを探すゲーム。形よりも場況。
三麻は「あがること」が何より重要。三麻は殴り合い。攻めても負け、守っても負けのゲーム性。早くあがることで放銃を回避でき、加点も見込めるため、相手よりも勝率の高い待ちでテンパイを入れ続ければ自然とトップが増えていきます。相手が使えなさそうな牌で待てば攻め返されにくくなる。相手の危険牌を止めて待ちを作れば放銃を回避しながら和了抽選を受けられる。良形で先制テンパイを入れれば相手の手を止めながらあがりに行ける。場に安いゾーンでターツを形成すれば有効牌を引きやすくなり、受けに回るときにも強くなる。三麻で最も大事な基本事項はこれです。また、三麻は四麻よりも牌の枚数が少なく、人数も1人少ないため、1牌当たり・1人当たりの影響が強く出るゲームです。そのため、場況の影響力が高くなります。形より場況を優先したほうが良いことも多いので、そのことも頭に入れておきたいところです。
2、まずは”対戦者”のことを考える。自分の都合は後回し。相手が喜ぶ選択肢を回避する。
例を挙げます。上家が47000点、下家が親で23000点、自分が35000点の状況で下家の親がリーチしました。さて、ここで最悪のムーブは何でしょうか。それは「自分がラス目の親に放銃すること」です。もしラス目に放銃すればトップ目からしたら自身の点棒を減らさずに大勢に影響のない横移動でラッキー、下家からすればラス脱出のための値千金のあがりになります。つまり「2人ともラッキー」になります。もう一つ例を挙げます。南1局一人沈みのダンラスが役牌のみ1000点をあがりました。この場合、トップ目と2着目はノーリスクで局消化できるので、「2人ともラッキー」になります。このように、「2人ともを喜ばせる行為を消していくことが何より重要です。
最後にもう一つだけ例を挙げます。オーラス自分が45000点、上家が親で32000点、下家が28000点とします。この状況でピンフ抜きドラ3をテンパイしました。「トップ目役アリだからダマ」としても良いですが、リーチしたらどうなるでしょうか。親としては「ツモられても2着、放銃したらラス」なのでかなりオリ寄りになります。また、ラス目が攻め返してきてツモアガリされても大体トップです。なので、危険な親を下ろしたほうがトップを取りやすい良い状況です。親を自由に打たせて、一撃トップ狙いのリーチを打たれて18000点放銃でラス・・・みたいな展開も避けることができるかもしれません。このように、相手がどういう心情で、こちらの動きに対してどう対応してくるかをまず考えた上で自分のアクションを決定する、という”ワンクッション置いた思考”が立体的な麻雀を打つことにつながります。
3、他人の知識を鵜呑みにするなかれ
「ピンフドラ1はリーチ」「役アリ良形倍満はダマ」などのセオリーがありますが、レベルが高くなるにつれてそれだけでは通用しなくなってきます。じつはこれらのセオリーは本質を理解した上で実行しないと危険です。ピンフドラ1はリーチが基本ですが、これは局収支を高めるためのセオリーです。じつは倍満のほうがリーチしたときの打点上昇期待値が大きくなるケースが多々ある(16000→24000で8000点上昇)のに何故倍満はダマなんでしょうか?「トップを取るために24000点は過剰で、16000点加点の確率を最大限高めたほうが確実性が高いから」ですね。同様に、ピンフドラ1でも局消化のメリットが非常に大きい局面ではダマが正解になることもあります。このようなリーチ判断は「出あがり率の低下」「加点メリット」「放銃リスク」などを考慮した上で、決定する必要があり、「何が目的なのか」を明確にしておく必要があります。ほかにも「スジカウンティング」などのセオリーなどがありますが、これもただスジを数えて単純な危険度を算出するだけでは戦術としては雑すぎて使いものになりません。厳密には、スジごとの危険度、手役読み、放銃打点、巡目、点棒状況補正などあらゆる要素を考慮した上で、押し引きのラインを見極める必要があります。理に頼れば、理を高精度で操る上位勢には勝てません。一打ごとに自分の頭で考え、感覚的な要素も多少取り入れつつ打牌をする姿勢が大事です。
4、自分の成績に対して他人はあまり興味を持っていない
雀魂という大人気オンライン麻雀アプリがあります。最高段位の「魂天」は天鳳三麻で言うと八段~九段到達あたりの難易度という見解が一般的で、実際天鳳三麻上位陣で魂天になっているプレイヤーは多いようです。もっと言えば、三麻鳳凰卓のアクティブ上位勢は、「最高R2400超え」「九段10回、十段2回」「Rランキング1位複数回」などの実績を持っている人が大半で、ほぼ魂天になれる実力を備えています。さて、ここで言いたいのは「映え狙い」なら雀魂をやったほうが良いということです。天鳳の九段以上は「ドヤる」段位ではありません。理不尽なpt配分に戦慄し、阿鼻叫喚の戦いを強いられる段位であり、とてもそんな余裕はありません。一度くらいはなってみたい、と一つの目標にするのはアリですが、そもそも他人の段位に周りはそこまで興味を持っていません。特に上位勢の関心事はほぼ「安定段位」です。安定段位が低ければ高段位になっても「確変扱い」です。逆に、もしチャオ(六段落ち)になっても、めげずに打ち続ける打ち手は彼らから一目置かれます。「麻雀が強い」ということよりも「麻雀が楽しい、好き」という事実のほうが圧倒的に価値が高いです。短期的な下振れで悔しさとみじめさにまみれて落ち込むことは誰にでもありますが、強い打ち手の大半は、一生懸命頑張る打ち手を「下手」とは思っていません。むしろ「一緒に険しい山道を登る仲間」と思っています。自分にとっての最善の麻雀を打ち、結果は甘んじて受け入れること、これに尽きます。
余談ですが、「たっちゃん炎舞」さんというプレイヤーがいます。彼はコンスタントに月間1000本ペースで打ち続けている特上卓の鬼打ちプレイヤーです。安定段位こそ高くないのですが、一緒に打つと必死で勝利を目指そうとする意志が伝わってきます。「強さこそ正義」という意見も聞かれますが、ただただ麻雀が好きで打ち続けたいという彼の強い意志は自分の目指すところでもあり、尊敬するプレイヤーの一人です。
5、自分なりの楽しみ方を見つける
「九段や十段になって自慢したい」「サーカスプレイで自己満足したい」「SNSで鳳凰卓の強い人と議論したい」「オリジナルなフォームで結果を残したい」。いろいろあって良いと思います。麻雀をする理由に正解はありません。自分が何のために打つのかは自分で決めればいいと思います。ただし、確実に言えることは「楽しいという気持ちを忘れたら負け」ということです。結果にこだわりすぎると、「上振れを引いたら落ちる恐怖に苛まれ、下振れを引いたら絶望に覆われる」という状況になってしまい、「打つこと=鬱」になります。結果よりも過程です。「自分が残そうとした足跡」には絶対的な価値があります。
【プレイ集】
この2か月で三麻鳳凰卓2000本以上の鬼打ちをしてきましたが、その中で特に記憶に残ったシーンを挙げてみます。メッセージ性の強いプレイもいくつかありますので、そのあたりも見ていってください。
北待ちチートイリーチでツモアガリを拒否して抜き。
トップ目からラス牌の北を直撃で黒棒浮きの針の糸を通すトップ。
カンで圧をかけつつ、1-4pを思いっきり警戒させてからの奥義・赤切りまたぎダマ。
今まで三麻を5万戦くらい打ってきて、間違いなく最高の配牌。(結果は2巡目に大四喜・字一色のダブル役満和了)
下家の9p切りからチートイダマを読んでの1m止め。※1m切れないなら一応2sも切らない
初手ノータイムドラトイツ落とし。ラス親の強烈な仕掛けには厳戒態勢で手詰まり回避。
高目倍満のホンロートイトイ三暗刻を拒否して5本折れ満貫のカン8s待ち。「この手牌はシャボではあがれない」という感覚を信じて、対面からの河底直撃狙い一点に絞り跳直でラス回避。
下家のほぼ24000テンパイ確定の仕掛けに対してノミ手リーチの英断。”この手は押すべき”という嗅覚に指が反応(結果:2600出あがり)。
対面の待ちを5-8sに絞り、誰も使っていないカン4sで手なり差し込み期待の意味も込めた爆牌リーチ。
「流局間際の濃い牌は鳴け」この黒魔術でなぜか頻繁にアガリ牌を食い取っています(即3p食い取り)。
下家からコクシのシャンテン以上の気配。楽して打8sはお断り。
結果、東のトイツ落としを選択し、紙一重でコクシ回避。「ツモれる待ちを探す」ということがいかに重要か。
第一打ヤオチュウ牌切りと最終打牌8s切りでコクシファブリーズ。言うほど気の利いた捨て牌にできなかったものの、要所を抑えて捨て牌を作る。
切れないと判断した牌は切らない。たとえ無スジの8sが当たろうとも自分の読みは信じて9p止め。
粘りの対価。
不調続きで可能性を感じない手でも・・・
粘って手順を尽くせば実ることもある。
描いた最終形が1牌違わずピースにはまった奇跡。
研ぎ澄まされた感覚から繰り出されるガン牌。
この2か月で最もエモかった流局テンパイ・奇数オンリーメンチン四暗刻。赤の着色具合も相まって芸術。
ツモドラ1の500-1000を満貫ツモにするには・・・?
こうすれば良い。
ただひたすらにAIには打てない自分だけの麻雀を打ち続ける。サーカスプレイが多い印象はあれど、最後まであきらめない往生際の悪さが奇跡のパフォーマンスを生み出す。技術的な面、メンタル的な面で参考になれば幸いです。
【最後に】
とある一人のプレイヤーの物語をドキュメンタリー形式で紹介します。長い天鳳生活で誰しも感じたことのある歓喜や絶望について生々しい実体験が描かれています。
******************************
一年前くらいだろうか。「正着打以外は全て悪」みたいな風潮が蔓延る現代麻雀に一石を投じるため、彼は再び三鳳村に舞い戻ってきた。まずは楽しむこと。そして同時に結果を残し、麻雀には数値だけではない面白さや戦術があることを世に知ってもらうことが目的だった。別ゲーやフリー対戦などに没頭し、打たない時期があったものの、順調に打数を増やしていった。
遠い記憶――。”あの頃”戦ったもののふたちのことを今でも思い出す。
\(^o^)/★、くうた、精神srrt、すずめクレイジー、ツーアウト、傘がない、いちごポッキー、ソックス♪、高倉健、(▼Д▼)y-、亞図鎖∞∞∞∞∞、神々クラス、おーくりー♪、〓いちはら〓、laschil、あぐら、ツーアウト、麻雀職人ユウ、abantes、朝は弱いねん、テラバイト戦士、コクシ無理双、(=°ω°)、葦毛、小松未歩、炎ノ朱雀、〓桂馬〓、タメロンディアス、お知らせ、ふうかママ、=伊藤かな恵=、calc.、ロジカルさん、蜜柑の家、ゴミクズ七段、三田村茜、◆ミッチー◆、原宿ジェンヌ、sigenori、凹げき東北、pawafu1・・・・
当時は、三麻の戦術本がほとんど出ていない時代であり、それぞれの打ち手が個性的な戦術でしのぎを削っていた。今はどうだろう?確かにレベルは上がったが、個性は影を潜め、金太郎飴みたいな麻雀になっているんじゃないのか?おれたちは人間だ。AIに近づくことは果たして善なのか?彼は変わっていく自分の麻雀に対して問いかけ続けた。
2024年夏、とある夏の日。彼は再び鬼打ちを開始した。月間1000本。年間12000本ペースで、だ。トリッキーな戦術を交えながら、ただ勝つだけでなく、楽しみながら打数を重ねた。しかし、そんな鬼打ちも空しく、あるときモチベーションの壁にぶち当たることになる。モチベーションが下がると途端に悪い結果になることは今までの経験から十分承知していた。「疲れたな・・・もうやめようか・・・」そんなとき、ある一人のプレイヤーとの会話を機に決心することになる。
「遊びも甘えも捨てる。天鳳位を目指す――。」
歴代三鳳最強雀士は誰か?sigenoriさん、(´へεへ`)さん、藤井聡ふとさん、ぴこりさん・・・いろんな意見があると思う。短期成績で言えばつくねん3さんあたりも相当やばい。自分の認識では、アクティブでは「いばらぎ」さん、そして「kurt」さんの名前が浮かぶ。いばらぎさんは四麻天鳳位に加え、三麻の安定段が圧巻の一言であり、kurtさんは複数アカ十段かつ、直近でも十段を500戦以上維持し、ここ数ヶ月、かなり長い期間Rランキング1位に君臨している。ちなみに、kurtさんは三鳳のおかあさん(※ゆめみさんではない)と言われており、一般的には「税さん」と呼ばれている打ち手である。そして、彼の麻雀は自分の麻雀に最も近く、現代の麻雀にはない要素が多く含まれている。そして、”ある人”とはまさに”彼”のことであった。
これまで彼はさまざまな打ち方を模索してきた。副露攻撃型、面前守備型、手なり速攻型、テンパイチャンス優先リーチ特化型・・・今回のコンセプトである「変則手多めの超面前超守備型」のフォームから一転、収支に影響しないトリッキーな戦術を封印し、勝つための最善手を追うフォームへと切り替えた。
これまで何万戦も打ってきて、データは十分揃っている。現在のフォームの安定段がおよそ7.5~7.7、かつて自分の麻雀を捨てて本気で天鳳位を目指したときの安定段は中~長期8.4~8.6ほどだったか。昔に比べて周囲のレベルが上がっているため、現環境だと良くてせいぜい8.2くらいだろう。どちらにしても現実的に天鳳位になるには「最低安定八段」は超えなければならない壁である。
「ガチ打ち」開始。現在地はなんと「チャオM3地点」。つまりあと3ラスで六段落ちである。だが、そんなことは関係ない。上がるしかない。必死で今の自分最善手を積み重ねていく。500戦ほど打っただろうか。気づけばRは2400を超えていた。段位ptもRもなるべく意識せず、常に「昇天戦のオーラス」くらいの状況を想定して自分を追い込み、打数を重ねた。そんなときにはじめて「考えてはいけないこと」を考えてしまう。
「あと4勝で十段、そしてRランキング1位、さらにちょうどRが2440を超えるので”あの人”を超えられる――」と。邪な考えは恐怖に変わる。かつての天鳳位たちが昇天後に凄まじい勢いで下振れする現象が多く確認されており、彼もまた急降下を何度も経験していた。さらに、直近の対戦で「つのだモード※超絶下振れ」の入口にさしかかっている予感をビンビンに感じていた。そして、予感は的中した。3週間で積み重ねたポイントはたった4日で5000ポイント弱、Rにして200近くも消滅した。体調も悪化し、まさに踏んだり蹴ったり、という状況に陥ってしまった。
とある夏の日。それでも打ち続ける彼の姿があった。一番怖いのは「フォームを曲げること」と「打つのをやめてしまうこと」の2つ。今日も「自分の弱さ」と「目の前の恐怖」と戦い続ける彼の姿があった――。彼の正体は「神速★.com」。理由あって素性を隠すことを余儀なくされたレジェンド世代の生き残りであった。
【ペン太のコメント】
最後は「神速&お知らせの鬼打ちコンビ」で有名なあの人のドキュメンタリーでしたね♪
このブログのメッセージが、もう一度麻雀と向き合ってみようかなと思う人や、これからも麻雀を続けていく人の励みになることを祈っています★
コメント