ご無沙汰してます、ペン太です。久々のブログ更新ですが、今回は雑記です。
世の中には「知らないほうが良い真実」というものがあります。大人になればなるほどそれは多くなっていきます。例えるなら、「サンタクロースは実在する」と”思って”いたほうがある意味幸せ、というようなものです。
さて、先日メジャーの大谷選手の通訳である水原一平氏が違法賭博問題で大谷選手に”ウソ”をついて、彼の金銭を”窃盗”したという事件が明るみに出ました。結論から言うと、これは「知らない(ふりをする)ほうが良い真実」の典型です。もう少し詳しく説明すると、「賭博とは無縁で、野球にストイックに打ち込み、国民的ヒーローとなった大谷選手が、理不尽な理由で野球を続けられなくなるという事態だけは何としても避けねばならず、それは球団・ファン・家族、そして本人と水原氏もそれを望んではいない。その不条理な結果を回避するためであれば、”本当の真実”が何かはもはや関係ない」ということです。
※↑「おれは本当の真実を知りたいだけだ、作られた真実はもう見飽きた・・・」で有名なMOZUの西島さん。
では、事件の流れをストーリー風に追ってみます。
~ストーリー~
水原さんはギャンブルが大好きです。かつてはカジノディーラー養成学校に通ったこともあるほど大好きでした。しかし、そのギャンブルにのめり込むあまり、多額の借金を作ってしまいました。自分ではどうしようもない多額の借金です。水原さんは考えました。「もう人生詰んだ。オワタ。でもギャンブルはやめたくないし・・・。返せるアテはないし、家族に相談したら家庭が壊れてしまうおそれがあるから相談できない・・・。そうだ、親友のオオタニに相談しよう。それしかない。」
翌日、水原さんは大谷選手に相談しました。
水原「じつは、ギャンブルで借金を作ってしまったんだ。」
大谷「え、そうなんですか・・・。ちなみに金額はどのくらいなんですか?」
水原「450万ドル(6億8000万円)。」
大谷「・・・(顔をしかめる)」
大谷「すごい額ですね・・・どうするんですか?」
水原「妻に話したらあきれて離婚言い渡されるよ。さすがに。だから家族には言ってない。でも自分でどうにかできる額じゃない。このままだと通訳を続けていくことは難しいかもしれない。そうなったらオオタニに迷惑をかけるから、オオタニにだけは本当のことを話しておくべきだと思って話したんだ・・・。」
大谷「・・・ギャンブルはやめられないんですか?」
水原「やめられなかったからこうなってしまったんだ・・・」
大谷「・・・(顔をしかめる)」
大谷「一平さんがそばにいないと俺は困ります。でも、このままギャンブルを続けるんだったら自分にはどうしようもできないです。・・・だけど、もし絶対やめるって約束してくれるんだったら、その借金、僕が払います。」
水原「そんな大金払ってもらうなんて、そんなこと・・・」
大谷「でも、どうしようもないんですよね?」
水原「まぁ・・・」
大谷「だったら僕が何とかします。一平さんは僕にとって家族みたいなものですから。そのかわりもう絶対ギャンブルはやめてくださいよ!」
水原「ありがとう・・・本当にすまない(震え声)」
こうして大谷選手は水原さんの借金を肩代わりしました。相手が違法賭博のブックメーカーであるとも知らずに・・・
そして2024年、事件は起きました。捜査関係者から「大谷の口座から違法ブックメーカーへの資金の流出が判明した。事情を聴取したい。」と連絡が入ったのです。大谷の代理人(バレロ氏)が水原さんに問い詰めたところ、水原さんは「大谷に賭博の借金を肩代わりしてもらった」と正直に話しました。そして、大谷選手から雇われたばかりの危機管理広報担当が直接大谷選手に確認したところ、「ええ、何度か大金の送金をしました。遅れる最大限度額でした。」と本人も認めました。
数時間後、同広報のインタビューに対し、水原さんは「昨年、大谷に事情を話して賭博の借金を返済してもらった。もちろん彼はハッピーではなかった。手助けするけどもう二度としないようにと言われた。2人で大谷のPCから口座にログインし、ブックメーカーに送金した。50万ドルを8~9回、数か月にわたって送金した。最後の送金は10月だったと思う。」と具体的に事情を説明しました。
水原さんにとって大谷選手は、同僚でありかけがえのない親友です。もちろん、お金をだまし取るなんてことは微塵も考えませんでした。ただ、大谷選手なら相談すればきっと”力”になってくれるだろうという確信がありました。なぜなら、水原さんを失うことは大谷選手にとっては一大事であり、「はした金(”たった”7億円)」で親友を救えるなら協力するに違いないからです。水原さんはその心理に甘えてしまったのです。
しかし、ここで問題が発生します。「大谷が反社会的組織に金銭を振り込んだことには法的問題がある。もし大谷自身が違法賭博に関与していたのであれば、重大な問題だ。MLBの罰則規定によると野球賭博の事実があれば、1年間の出場停止処分、もしそれが自身の試合であればメジャー永久追放となる。」ということが指摘されたのです。
水原さんは焦りました。「自分のせいでオオタニがプレイできなくなるなんて最悪だ・・・。おれのことを守ろうとしてくれてあんな大金まで払ってくれたのに・・・。絶対に迷惑はかけられない。何としても俺だけの責任にしないと・・・。」
もしインタビューの発言が真実であれば、大谷選手の処分は避けられません。球団・大谷サイド・水原通訳の利害は一致していました。「”本当の真実”を塗り替えてでも大谷が処分されることだけは何としても回避する――。」
そうして翌日、同広報は一転してインタビューを報道しないよう忠告し「一平は”ウソ”をついていた。翔平は何も知らなかった。」と強調しました。同日、大谷の弁護士も「大谷は巨額の窃盗の被害者である」と発表しました。そして水原さんも「自分はインタビューで”ウソ”をついていた。オオタニは自分のギャンブルや借金について何も知らなかった。」と話しました。そして、水原さんはそのことが原因で球団から解雇されました。
後日、大谷選手は「声明文」を読み上げる形で会見を開きました。目的はもちろん「”真実”をすりかえるため」です。記者の質問を禁止にしたのはもちろん「質問によって”本当の真実”を知られるリスクを回避するため」です。彼は時折落ち着きのない素振りを見せ、いつもよりも少しだけ高い声でしたが、はっきりとした口調で堂々と声明を読み上げました。正直で誠実に生きてきた彼にとって、公の場で”ウソ”をつくことはとても耐えられることではありませんでした。ましてや大事な同僚であり親友についてのことであればなおさらです。しかし、大谷選手は「ここで自分が”本当の真実”を話せば、自分は野球ができなくなるかも知れない。球団もファンも悲しむ、そして何より結婚したばかりの妻が悲しむ。一平さんも必死で自分のために”窃盗犯”になってでも罪を全てかぶろうとしてくれている。これは仕方のない”ウソ”なんだ・・・自分のためじゃない、みんなのためのウソなんだ・・・。」と自分に言い聞かせ、必死で会見を乗り切りました。
アメリカのメディアではこの会見の内容には違和感があるという声がちらほら聞かれる中、日本のメディアでは「大谷選手はしっかりとした態度で真実を話してくれた」「疑惑が晴れて安心した」「水原さんはいい人だと思ってたのに・・・」などの声が上がり、大谷選手の会見に懐疑的な意見をする者は徹底的に排除されました。テレビ局も「全面的に大谷の会見の内容が正しいという立場で話すように」とコメンテイターに釘を刺しました。そして、水原さんが大谷選手の口座からお金を抜き取ることが”物理的”に可能であったということをことさら強調し、動機や状況などの整合性が取れないことを伏せて報じる姿勢に徹しました。yahooのコメント欄もSNSのコメント欄も不自然なほど、「この会見の内容が全て真実であり、異を唱える者はもはや非国民である。大谷がウソなどつくはずがない。」という空気感が漂い、”作られた真実”が真実となっていく道筋が出来上がりました。(END)
――これが現実です。日本国民はバカじゃありません。もちろん大谷の会見が”作られた真実”であることくらい分かっています。水原さんが本当に窃盗したのであれば、間違いなく最初のインタビューでの発言は「自分はオオタニの通帳を管理できる立場にない」のように”自分は関与していない”という趣旨の発言になります。肩代わりしたという発言は「オオタニ本人は賭博をしていない。何も悪いことはしていないから巻き込まないでほしい」とかばうときにしか出てくることはあり得ません。何より、最初のインタビューのときに大谷選手自身が肩代わりしたことをすぐに認めています。騙されてショックを受けているはず人間がする発言かどうかを考える上では選択肢にすら入りません。また、信頼関係があり、かつ、金銭的余裕がある大谷選手の口座からお金を勝手に抜き出すなんてこともまずありえません。経理担当者が今回の確定申告で間違いなく気づいているはずです。ウソの通訳でごまかしても、多少は英語が聞き取れる大谷本人の前で確認されたら終わりです。振込時の通知を大谷選手本人宛てに設定していなかったとしても本人がそれを目にしたらその場合もジ・エンドです。そんなリスキーなことをするほど水原さんは頭が悪くありません。
少し考えれば小学生でも分かるウソです。正常な判断力のある大人なら誰でも気づきます。ある程度の情報を把握した上で、これを”本当の真実”だと本気で思ってる人なんてまずいません。でもなぜこうもメディアでは「白々しい茶番」がまかり通っているのか――。理由は一つ。「真実なんてどうでもいい。何も悪いことをしてない、むしろ人として褒められるべきことしかしていない大谷選手が処分されて野球できなくなるくらいなら、総動員で捻じ曲げ、葬ってやる!」という意思表示にほかありません。
世の中、真実が全てではありません。出た目が「丁」でもみんなが「半」と言えば「半」なんです。それを「丁」と言い張るのはアカギ(※画像)だけで十分です。みんなにとって都合のいい、みんなが幸せになれるストーリーこそがこの世界では”真実”。それが大人社会の現実なんでしょうね。
※余談ですが、「今後の捜査に対する口裏合わせ(口止め)」と「家庭崩壊や生活困窮による予想外の言動を防ぐ」という2つの意味合いで水原さんに”アメ(金銭)”を与え、今回の件を墓場まで持って行ってもらえるよう”首輪”をつけるのが大人社会の常套手段です。
※このブログはフィクションです。実際は大谷さんは関与しておりませんでしたm(__)m
【ペン太のコメント】
濁りを排除して透明な水槽を目指す現代社会はなんか息苦しくて生きにくいって人もいるけど、実際ある程度濁りがないと困ることも多いよね。だって人間だし。
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