現代の麻雀はデジタル一択と言っていいほどデジタルが主流になっています。ただ、デジタルとは言ってもひと昔前の「効率重視で無駄なく最短のアガリを目指す」という考え方ではなく、「打点とスピードを考慮して局収支が最大となる着手を目指す」という考え方にシフトしてきており、ロジカル(論理的)に考えることが重要であるとされています。
もっと具体的に言うと、現代の戦術の核となる考え方は以下のようになります。
1、テンパイしたら余程のことがない限りリーチすること
2、リーチや高そうな仕掛けには基本的にオリ。打点と形が条件を満たしている場合のみ攻める
3、中盤以降のポンテンはほぼ取ったほうが有利。終盤は形テン狙いの技術が重要
4、字牌は重なる前にガンガン切ったほうが得。”絞る”という行為は損。
ざっくり言うとこんな感じです。天鳳で言うと、「不特定多数の中級者がいる特上卓」では最も有効な戦術と言えます。
ですが、「特定の上級者と連戦することを前提とした鳳凰卓」では話が変わってきます。数字以外の工夫や経験が必要になります。
例えば、
1、捨て牌に細工する傾向がある
2、ダマテンが多い
3、先切り両面固定の手順を多用する
4、テンパイ前後でも打牌スピードにほとんど変化がない
という特徴を持った打ち手がいるとします。これらの行為は収支面で言うと若干低くなる傾向があります。それと引き換えに、”別のリターン”を得ることができます。もし、このような打ち手と対戦した場合、他家からすると次のような見え方になります。
1、捨て牌が信用できないので、リーチのときに普通なら押せる牌が押せない
2、ダマテンが多いため、危険牌の処理が後回しなりがち(危険牌先切りで刺さりたくない)
3、先切り多用により捨て牌が濃くなりやすいので、手牌の進行スピードが読みにくいし、手牌構成が読みづらいので山読みもしにくい
4、打牌スピードがほとんど変わらないのでテンパイ気配が読みづらく、なんか漠然と怖い
これらが”リターン”です。免疫がない人にとっては対応が非常に厄介です。「いつテンパイしているかわかりづらくいきなりダマで攻撃を当ててくる、手牌の進行も手牌構成も分かりづらいし、高いか安いかもわかりづらいし、そもそもどこで待っているのかも見当がつかない」というイメージが出来上がってしまうと、人はまともに前に出られなくなります。もしくは開き直って真っすぐ攻めて真っすぐオリるような直線的な対処法に頼らざるを得なくなります。つまり、一種の”デバフ効果”があります。
とあるボクサー曰く、「僕らは殴られることを前提にリングに上がっているからパンチには耐えられるけど、不意の攻撃に対しては案外弱い」と話しています。リーチに満貫放銃するよりも、意識の外から5200を食らったほうが効くこともある、ということです。少なくとも自分は、真っすぐ金属バットを振り回してくるような打ち手よりもこちらのタイプのほうが明らかにイヤです。
鳳凰卓のような特殊な環境では、単に確率やデータを追い求めるだけではなく、それ以外の要素も取り入れたほうが良い結果が得られることもあるのかもしれませんね。
【ペン太のコメント】
いつもダマで満貫当ててくるやつ、彼女できない説ありそうだよねw
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