回し打ちについて

今回は回し打ちについて。押し引き、チートイ技術、読み、南場の状況判断と並んで「実力差が出やすく成績影響度も高い三人打ちの5大技術」のうちの一つです。なかなか説明するのが難しいためか戦術書にはあまり載っていないんですが、はっきり言ってめちゃくちゃ大事です。

さっそくペン太師匠の実戦譜を見てみましょう。

下家が東をポンしてドラ切り。まだテンパイ率30~50%くらいですが、トップ目なのでここから対応開始。トップ目なのでドラのトイツ落としから入ります。

下家4p手出しでテンパイ率70%超えです。染めの可能性も完全には否定できないため3pは切りたくないですが、ソウズを払うとアガリ目がかなり薄くなるため、一応テンパイ時3p勝負の構えは取ります。

シャンテンで形をキープし続けましたが、南をツモって打4sリャンシャン戻し。南は上家が1巡目に切っているため、当たる可能性は低めですが、刺さったら満貫クラスは覚悟しないといけないので一旦引きます。

シャンテン復活。下家の9p手出しはテンパイだとしたらスライドor空切りor受け変え、シャンテンだったとしたら周辺牌が危険です。

8pをポンして南勝負。南待ちは当たると打点がつきますが、危険度自体はそこまで高くないのでフリテンながらも南を切ります。上家の手牌の反射読み(回りながら手出しを頻繁に繰り返している上家のほうが南を引いている可能性が高い)も考慮に入れつつです。

6pを食い取り3900オールの1本場ツモ。点棒状況・他家の予想打点・待ち・手の進捗状況・切る牌の危険度などをその都度考えながら打ち進め、ピンポイントをモノにします。ここでのポイントは、「形を崩さずに粘り、押し返すビジョンを常に持っておくことが大事」ということです。ペン太師匠やりますね!

では別の局も見てみましょう。

上家からリーチ。捨て牌を見た感じ、普通のメンツ手で本命6-9p、4-7sの5200~満貫くらいのリーチっぽい印象です。チャンタのシャンテンでしたが、無スジの3pを引いて9mのトイツ落とし。一旦迂回します。”回し打ちの基本はトイツ落としから”です。

12巡目、通っていない8pツモで打1s。白中はシャボがあるので確実に通る1sを切ります。

6pも引いてきて打7s。対面はオリ気味なので、安全なソウズの上を全部払いつつ押し返す構想でいきます。

上家の白をポンして打8s。一応安全牌として2pと9sが残っているためここはテンパイを狙いに行きます。なお、安全牌が1枚もない場合はスルー推奨です。

7pを食い取ってテンパイ。この9sはサクッと切ってテンパイしてる感を出さないのがポイントです。1メンツ落としでテンパイしてるようには見えにくいですが、対面により一層ノーテンだと思ってもらえるよう気を配ります。

対面から1pをロン。まさかソウズの上メンツ落とし(しかも高速切り)で張っているとは思わなかったのか、通ったばかりの1pが出てきました。チャンタ手から当たり牌の3-6-9pを止めつつ、ホンイツの完成です。ここでのポイントは、「目先の手役やシャンテンにとらわれずに、柔軟に手牌構成を組み替える発想を持つこと」です。対局者からしたら、こんな粘り方されたらたまったもんじゃありません。ペン太師匠、容赦ありませんね。

さて、最後はトップ目で安全牌が全くないときの回し方です。

まずはワンチャンスかつ2枚ある9p落としから入ります。回し打ちの基本・安全度の高い牌のトイツ落としからです。

次は非常に重要な場面ですが、ここでの選択は打4s。端っことはいえドラまたぎの1pは放銃打点が高くなるため打ちません。4sは片スジなので、この中ではわずか数%ですが平均放銃率が低いです。(1sが切られている→4sを持っている可能性が高く、ターツ構成牌となっているため待ちにはなっていないパターンがほかの牌よりも多い)また、中よりも1sが後なので、ソウズの下でメンツがあります。また、9mよりも1sが先なので、ヘッドレスシャンテンではなくアタマが決まった形です。イメージとしてはトイツ牌の少ない非複合形・横伸びの手牌でピンズ2メンツ、ソウズの下で1メンツ、ソウズの上で1メンツ、みたいなイメージです。

次は中スジの6pを切ります。ここは4sでも良いんですが、カン6pなどが残っているなら1sをフォロー牌として残すため通常よりもさらに高確率で通ります。また、下家が攻めてきたときに6pよりも4sのほうが切りやすく(もう一人の他家の動向は要チェックです)、8pを引いての三暗刻含みフリテン7面待ちや、3sポンでの4面待ちを見て、一応攻め姿勢を残します完全にオリたほうがよい点棒状況ではないので、わずかでも攻め姿勢を残して回せるかどうかが成績や圧の強さに影響してきます

スジの打1pでテンパイ取らず。曲げて7700点のテンパイですが、フリテンペンチャンではいくらなんでも押せません。

最後はスジの打7sで流局。おそらく2-5-8p、3-6-9s、5-8sのどれかが当たりなので切る牌はもう7sしかありません。ここはペン太師匠、的確にオリ切りました。一番重要かつ難しい場面は4s切りのところで、打ち手の技量が表れるのが6p切りのところです

【まとめ】

初級~中級者までなら「先手は攻め、後手はオリ、押し返すのはワンプッシュまで、追いついたら打点と形で判断」だけである程度は結果が出せるようになりますが、超上級者を目指すなら繊細な回し打ち技術は避けて通れないテーマです。前回三鳳GPTで紹介したお知らせさんなど”鉄強”の打ち手の牌譜を見るなどして、回し打ち技術を勉強してみるのも良いのではないかと思います。

多趣味なのに、それらがことごとく実生活でほとんど役立っていないという事実に気づいてしまったペンギン♂
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