こんにちは、ペン太です。三鳳GPT第9回目は、「天鳳四人打ち19代天鳳位」「日本プロ麻雀協会プロ雀士」の肩書きを持つ「いばらぎ」さんを紹介します。天鳳3人打ちランキングでも12月10日時点でRランキング1位かつ十段で、先日まであと3トップで天鳳位というところまで登りつめ、三鳳界隈に存在すると噂される「精鋭の昇段阻止部隊」が水面下でうごめきはじめていました。
↑こんなイメージですね。
ではさっそく成績を見ていきます。
【R5.12月現在の成績】
試合数 2228戦 まだそこまで多くはありませんが、今月は月600本ペースで打数を稼いでいます。
安定段 9.2325 化物ですw「5000試合に満たない成績は参考記録。5000試合は挨拶。」と言われることもありますが、個人的には2000試合で安定8.5段超えなら5000試合時点で安定8を下回ることはほとんどなく、鉄強と断定して差し支えないと考えていますが、それを遥かに上回る異次元の数値です。
最高段位 十段 冒頭でも書いたとおり現在十段です。
最高R 2459 「あと3勝」時点の数値ですね。圧巻です。
アガリ率 30.13% 鳳凰卓で30%の大台超え。かなり高めです。
放銃率 13.71% 標準
リーチ率 26.31% 標準
副露率 23.68% 標準
【詳細スタッツ】
トップ率上位4%、ラス率下位1%、アガリ度(率✕打点)上位6%、アガリ放銃差(アガリ率ー放銃率)上位3%、局収支上位3%
【打ち方の特徴】
バランスの良い攻撃型スタッツです。リーチ率・副露率、放銃率、ダマ率、ツモ率など全体的に非常にバランスの良い数値です。ドラにこだわりすぎず広く受け、状況に応じてリーチ・ダマ・鳴きを適切に使い分けてアガリを量産するタイプです。チートイがやや多めで、染めの頻度は多くも少なくもありません。形テンは積極的に取ります。特筆すべきは局収支とアガリ放銃差(アガリ放銃度差も高い)。局単位の押し引きの精度が高いです。
対戦した印象ですが、牌の寄りに逆らわないように打っているせいかわりとあっさり放銃します。でもその後の巻き返し力が半端ないです。わずかな「展開のヒビ」をこじあけて、一気に詰めてきます。攻撃型でありながらゴリ押し型ではなく、ナチュラルでバランスのよい攻めなんですが、気づいたら目の前まで詰め寄ってきてるイメージです。
最多対戦者:れすこ(74戦) 「きむち鍋できたよ~」で有名なれすこさんですね(笑)一説にはここ最近参入したアクティブプレイヤーの対戦数上位3名に大体入っているとかいないとかいう噂もあるほどの常連さんです。
れすこさん、鳴き麻雀さん、siokaraさん、ケルヴィンさん、hiroyuさんなどは「精鋭昇段阻止部隊」として派遣されるべき成績を収めています。一方、ストラ!さん、βーstyle★さん、葉山陽和さんなどは「クロネコヤマト(ポイント配達員)」状態になっていますが、「いばらぎはワシが育てた」と発言する権利があります。
【その他の情報】
・降りるのが嫌い
・麻雀を覚えたのは大学4年のとき
・こってぃーさんが3体くらい寄ってくるレベルのイケメン。ちなみに尻に敷いてくれる人が好きらしい。
・平成帝京大学さん、鳴き麻雀さん、春日部つむぎさんなどを注目(警戒)しているとのこと。
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すみません、間違えました
こっちです。雰囲気似てます(※「本人に似ている」という意味であり、決して「おしりたんていと口もとが似ている」という意味ではありません)
【対局紹介】
最近の対局の中から、打ち方の傾向が分かりやすかった牌譜を紹介します。上家は、最近急上昇の攻撃型・春日部つむぎさん、対面は超面前守備型のすいませーんさんです。ちなみに、いばらぎさんは攻撃寄りの打ち手がやや苦手で、守備型寄りの打ち手には強い傾向があります。
東1局西家。2s待ちで即曲げできるよう外スジ待ちの布石を作るチートイの基本手順です。
捨て牌が濃いですが、シンプルに字牌タンキで曲げて圧をかけてツモあがります。
東2局。トップ目とはいえ、手替わりが少ない手は愚形でも曲げます。サンマだと親抜き2かつトップ目の状況で愚形ドラ1は若干曲げたくなさがありますが、前に出てくる可能性が高い親が5pを掴んだら切る捨て牌なので実質「倍速のめくり勝負」です。関係ないですが、対面のすいませーんさんがコクシシャンテンで、しかも第一打にこっそり「煙幕」を巻いてますね(笑)
東3局親。ドラ3確定なのでナチュラルにポン。
役牌の重なりやホンイツを欲張らずに1枚切れの東をリリース。西が重なったときはピンズを払う手順です。余談ですが、西が重なったときに6pからではなく、8→6pと払うことで危険牌の範囲を広げる手順もあります。その場合、①シャンテンっぽい捨て牌の他家がいる場合は基本的に6pから打つ②シャンテンっぽい捨て牌の他家が序盤に9pを捨てている場合は8pから打つ(6pを持っている可能性があるため8pのほうがやや危険)の2点を注意して判断する必要があります。
打点は十分なのでホンイツは狙わずに打4sでテンパイに取った後、6pツモ。シャボよりカン7pのほうが山に居そうな河なので6pはツモ切ります。
対面の5sはスルー。もちろん一旦拒否したホンイツへの移行は狙いません。あくまで満貫を取りに行きます。
東3局トップ目ですが攻めるべき手では攻めます。ポンして打5sで放銃。東3局でこの点差のトップ目だと引き寄りの選択もありますが、まだこの段階では押すべき手は局収支で判断して押します。ここで18000を逃すほうが罪深いという判断です。5sよりもやや通りやすい4sを打つ手もありますが、リーチに危険な本命の3-6sを引かされた場合に、現張り2-5p待ち移行がスムーズに行えるよう、あえて危険な5sを切っている点にも注目です。
南1局。この親は絶対に流したい局面。打白、ちょっとひねって打9sといったところです。
と思いきや・・・え?
ろろろ・・6s?!
チートイを消し、タンヤオの受けも狭めて白を絞り、危険な6sを先切り。タンヤオを若干見つつピンフ本線で進めます。こんな小技も使うとは驚きです!
親を残した南2局。素直に1枚切れの南、ではなく打5sを選択。普段なら南を選択するはずですが、理由があります。上級者の方なら分かると思いますが、「そのとおり」です。ここでの「最悪」は対面に満貫以上を放銃することなので、リーチは極力打ちたくありません。また、上家は染め手の仕掛けに対して押しにくくなるため、「染め仕掛けで上家に圧をかけつつ、安全牌を3枚持って対面の攻撃に備え、①親をおろして流局で親を持ってくる②自分があがってトップとの差を縮める③対面がリーチしてツモってトップ目との点差を縮めてもらいつつ親を流してもらう、の3つのルートを描く」という意図で「あえて染める」のが妙手になります。ただ攻めるだけではなく、「状況に応じて適切な攻め方をしている」ということが分かります。
オーラス親。対面から出ても当たれないので三暗刻や發ポンを見つつダマを選択。上家は5巡目の5pと7巡目の西切りからほぼシャンテン、対面はドラ切りが早く染めでもない捨て牌なので、一応四暗刻を見ながらも「先生すいませーん、手になりませーん」的な雰囲気です。その状況を考慮すると、ここでは、リーチして上家をおろしつつ、対面からは見逃しをかけて次局6000オール圏内に持ち込むという選択もあります。幸い裏ドラが乗りにくく、乗っても1枚(4000オールで収まるので対面が飛ばない)で、対面からの直撃でまくられるリスクもほぼない(四暗刻の場合はツモなので)ため曲げてもOKです。
最後は上家が静かに役ありダマでまとめて決着でした。
【まとめ】
以前紹介したガーネットさんはダンプカーで突っ込んでくるような攻撃、ぴこりさんはサバイバルナイフで斬りつけてくるような攻撃のイメージでしたが、いばらぎさんの攻めはバキに出てくる本部以蔵のような自在で多彩な攻めです。
局収支重視で押すフェイズと点数状況に応じてひねりながら攻めるフェイズのモードチェンジがわりとはっきりしている印象です。このあたりの「自在さ」がないと安定9段超えを叩き出すことは不可能なので当然と言えば当然なのですが、攻撃力を磨きたい方はぜひ観戦をおすすめしたい打ち手です♪
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