オンライン麻雀「天鳳」。
麻雀好きな人なら一度は聞いたことがあると思います。
いわゆる本格派の麻雀アプリで、全国の猛者たちと四人打ち・三人打ちのオンライン対戦が楽しめます。10級から始まり、1級→初段→二段・・・・九段→十段→天鳳位と段位が設定されていて、天鳳位に関しては、超上級者でも運を味方につけないと到達できない難易度。一般的には九段以上到達で「強い」とされます。また、R(レート)という指標も設定されており、四人打ちだとR2200以上、三人打ちだとR2300以上到達で「強い」とされます(このあたりは個人差があるところです)。なお、Rにはランキングがあり、Rランキングで1位を取ることができれば、何万人もいるプレイヤーの頂点ということで「ドヤ!」していいと思われます(笑)
対戦する卓は、レベルに合わせて「一般卓(初級)」「上級卓(中級)」「特上卓(上級)」「鳳凰卓(超上級)」と棲み分けできるようになっています(※入室には決められた段位などが必要です)。
さて、自分はこのゲームを四人打ちと三人打ちの両方を経験していますが、主に三人打ち・鳳凰卓を打っています。全アカウント含めると総対戦数は40000試合くらいだと思います(←狂ってるw)。
そんな「麻雀オタク」の視点で、三鳳(三人打ち・鳳凰卓)にいる超上級者の成績や打ち方の特徴を紹介していくこのコーナー。第1回目は「天ヶ瀬奈月」さんを紹介したいと思います。
【R5.5月現在の成績】
試合数:6246戦 かなり多い
最高段位:十段 すごすぎる
最高R:2431 すごすぎる
安定段:8.1097 この試合数で安定八段超えはすごい
アガリ率0.2902 やや高い
放銃率0.1408 やや放銃が多い
リーチ率0.2925 高い
副露率0.2364 あまり鳴かない
最多対戦者:冬灯(133戦) この人も十段経験者で強い人です。
【打ち方の特徴】
5000試合以上安定八段超えの鉄強雀士。
打牌スピードが三鳳卓でもかなり速く、リーチが多いため、圧が強い。
雀風は面前重視リーチ特化型。リーチ特化型なので、その分放銃率は高くなっている。一方で、「他家の非テンパイ時に危険牌を先処理して、テンパイ濃厚時には繊細に対応する」技術が高いため、シャンテンからの放銃は意外と少なく、打牌スピードに似合わず「デリケート」である。
【その他の情報】
・最多対戦数雀士である冬灯のことが好きすぎるが、雀風は全く違う模様。
・深夜に急に現れたかと思えば、早朝に打つこともある(要するに「仕事してない時間は打つ」スタイル)。
【対局紹介】
天ヶ瀬奈月さん視点(手前)。対面は新世界の紙さん、上家がライバルの冬灯さん。全員十段経験者で、三鳳をある程度打っている人なら誰でも知っているレベルのトッププレイヤーonlyの卓。こんなメンツに囲まれたら普通の人なら失禁してしまいますね(笑)まぁこういう卓が日常茶飯事のように立つのが鳳凰卓なんですが。
では、対局を見ていきます。
画像は南2局ラス目。なんとしてもオーラスの親に繋げたい大事な局。
ある程度のスピードと打点が欲しいこの局で早々に跳満確定のテンパイが入ります(太ぇ・・!)
上家が白ポンの仕掛け。おそらく白ドラ2の5800、または赤5sありの11600の手です。手出しで6→1→2pと切っていて、ほぼシャンテン以上です。また、単独12pなら2→1の切り順になるのが自然(トップ目ならなおさら)なので、112pに3p引き→打1pでメンツ確定→2pツモ空切りなどが最有力で、少なくとも染め移行の可能性はほぼ否定できます。それに加え、1・2p処理直後ということを踏まえて、体感テンパイ率は30%くらいでしょうか(この後ソウズの真ん中あたりの手出しが入ったらテンパイ率が70%くらいになります)。待ちの3pは上家の切り出しから見て、上家が1枚持っています。対面は不明。体感で山2枚くらい3pが眠っていそうです。
リーチが多い雀風ですが、跳満ということもあり一旦ダマに取ります。この点棒状況の場合、鉄強ならラス目のリーチに対しては余程のことがない限りほぼオリます(そういう世界です)。
4pを引いて3面待ちへ変化し、今度はぶん曲げリーチ。体感ですが、この8pが待ちにかかるのは強い。たぶん引けます。そして、ドラ4確定な上に河が強いので、他家からしたら恐怖でしかありません。
数巡後に8pを引いて倍満。次局の点棒状況がラス回避しやすい並びになり、トップまで見えてきました。理想の結果です。何気ない手順ですが、「周りがオリやすい点棒状況」「ドラ4が見えていて河が強い」「ツモれる待ち(8pが強い)」ということをおそらく意識しています。劣勢時なので、上級者でも足止めカン3pリーチを打ちたくなるんですが、冷静に一旦ダマにできるのが地味にファインプレイです。
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さて、オーラス。上家は全速力でアガリを狙ってきますが、安いと分かっているならここには振ってもよし。西入があるため、対面も打点を必要としない局面です。さっきの倍満ツモで上家が40000点を割ったことが生きています。要するに、この局はオーラスでありながら、かなり自分本位で打てる局です。理想はピンフドラ2のダマ5800、またはリーチツモドラ1の2000オールです。
第一打は南。対面に南をポンされます。結果的に鳴かれはしたものの、鳴かれたくない南を早めに処理しつつ、ピンフ(一応イッツーもあるが)を本線に受け入れ最大にする一打です。9pではなく南を選ぶあたり、この局のテーマを理解していることが見て取れます。
巡目が進みます。上家はおそらく1~2シャンテン、対面はテンパイ率が体感50%超えています。6-9s、5-8p、6-9p、發あたりはかなり怖いところです。東がトイツならわずかに小四喜を見て北を即抜きしないこともあるし、ドラの白は上家が早めに1枚切っているので、東と白がトイツになっている可能性はやや低いんですが、なんと後重なりで両方トイツです。この9pは当たってもおかしくないんですが、平然と押します。「対面はドラの白を持っている可能性が低く、染まっている可能性も低いため、放銃しても西入するだけである」ことを認識しての”押し”です。
最高の4sツモでピンフドラ2の5800テンパイ。理想のテンパイです。ちなみにリーチを打つと、12000点放銃でラスに落ちる上家は、無条件でほぼオリになります。対面はリーチしようが何しようが、流局間際でトップ目がオリ確定の状況でもない限り全ツしてきます。上家を自由に打たせてアガられたとしても、2着終了になるだけ。であれば、わずかでもアガリ率が高くなるダマは当然の選択です。(※なお、対面が7→8s切りなので、ダブルメンツ落としかホンイツ移行が濃厚です。このダマの手牌に6s引きなら3sと入れ替えて6-9sをケア、5pツモなら渋々2p切りでフリテン4面待ちにすることも視野に入っていると思います。)
数巡後、しっかり7pツモで2600オール。逆転トップという結果になりました。
【まとめ】
リーチ全盛の時代。そして、三鳳は特にリーチが強い。それでも「何でもリーチ!」ではなく、状況によって繊細にリーチ判断をすることが重要だということが再認識できる試合でした。結果論もなりますが、オーラスに南を第一打で切っていなければ、牌のめぐりあわせも変わっていたはずです。
状況をしっかりと判断して的確な一打を選び、的確なリーチ判断をする。ほんのわずかな違いが成績に直結するレベルの戦いだからこそ、こういう積み重ねが大事なんですね(^^)v
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